トップインタビュー:CX日本支社長 クラレンス・タイ氏

尖閣で打撃も回復傾向、13年は香港復活へ
LCCは公平な競争環境望む

日本/香港間に週120便を運航するキャセイパシフィック航空(CX)。昨年は尖閣問題で大きな影響を受けたが、減便や運休をせず日本市場重視の姿勢を改めて打ち出している。とはいえ、領土問題は簡単に解決するものでもなく、さらにLCCの就航により競争も激しさを増しているところ。今年で就航54年目となる日本路線をCXがどう販売しさらなる成長をめざすか、昨年7月、日本支社長に就任したクラレンス・タイ氏に聞いた。


-ご就任からの半年間の振り返りをお聞かせください

クラレンス・タイ氏(以下敬称略) この半年間は非常に大変な状況で、2012年は忘れてしまいたい年といっても良いほどで、もともとさほど良くはない状況だったのが、後半に尖閣問題が発生して大きく悪化した。円高のため前半の日本発は問題なかったが、香港発は低調で、バランスが崩れた。尖閣問題については、例えば10月と11月で香港とマカオへの訪問者数が36%減少した。CXで7000名のキャンセルが発生した。

 12月以降は、キャンセルは減ったものの、予約が入りにくくなってきており、影響はまだ残っている。とはいえ、前年並みとまではいえないがかなり回復してきており、今は2013年を前向きに考えようとしている。日本経済が上向く兆しもあり、海外旅行に追い風が吹くのではないか。


-2013年はどのように事業を展開する方針でしょうか

タイ 予算では1桁の伸びをめざすよう求められている。まずは前年並みに戻すところからだが。日本は最も重要な市場であり、便数は維持する。まずは便数維持だが、できればピーク時などチャンスがあれば臨時便やチャーター便も設定したい。

 尖閣の影響から回復するタイミングは政治的な問題でもあるためわからないが、このまま何もなければ改めて香港のプロモーションを実施したい。香港はCXの日本支社にとって一番大切な場所。これが基本だ。香港政府観光局(HKTB)とも色々相談しているところだ。

 ただ、ネットワークの有効活用も進める。東南アジア、オーストラリア、ヨーロッパなど売る場所はたくさんある。