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KNT-CT、12年は増収増益、営業利益が2倍超に

  • 2013年2月17日

 KNT-CTホールディングスは2012年12月期第4四半期累計期間(2012年1月1日~12月31日)の連結業績(※)を発表した。連結対象は、営業収益(純額)は前年比4.4%増の590億3100万円で、近畿日本ツーリスト(KNT)本体の増収が要因だという。営業利益は107.0%増の23億4400万円、経常利益は108.1%増の26億4400万円、当期純利益は151.3%増の17億8800万円となった。

 同社によると、12年前半は震災の反動や円高傾向による海外需要の高まりから好調に推移したが、後半は東アジア情勢が判定になり、中国、香港、韓国方面のアウトバウンド、インバウンドに大きな影響が出たという。

 海外旅行団体では、円高による法人旅行の低迷、尖閣・竹島問題による日本と中国、韓国の国交問題の影響で、12年の後半はアジア方面の需要が低下したが、ロンドンオリンピックや韓流ツアーなどの大型需要を取り込んだことで、前年を上回った。一方、個人旅行では、ホリデイで9月以降の日中韓の国交問題による需要の低迷、ヨーロッパ方面の不信、販売窓口の減少で厳しい状況で推移。訪日旅行については、大型国際会議の取り扱いにより前年を上回った。

 KNTでは安定的な収益基盤確立をはかり、中期経営計画に基づき組織再編などの事業構造改革を推進しており、これに伴う施策が奏功したとの考え。費用面でも諸経費の削減に努めたという。

 事業別では、団体旅行において、組織再編にともないスポーツビジネスの開拓や地域誘客など専門ノウハウを共有化し、新規需要の開拓を実施するとともに、教育分野でのスポーツ、文化イベント関連旅行の獲得をはかった。また、個人旅行事業では個人旅行事業カンパニーに提携販売部門を統合し、商品の企画販売、店舗販売とウェブ販売の一体運営を強化。ウェブ販売では質と量の充実を実施。店舗販売では国内基幹系システムやタブレット型端末を活用し、店舗でのコンサルティング力を高め、高付加価値商品を中心に販売を強化した。

 グローバル事業では5月に台湾に現地法人を設立し、現地提携先との商品開発による現地発海外個人旅行需要の獲得を促進。中国・アジアでのビジネス強化もはかった。

 2013年度業績予想は、売上高(※※総額)が4650億円、営業利益が87.6%増の44億円、経常利益が47.5%増の39億円、当期純利益が合併によるのれん代の償却費などがあるため、16.1%減の15億円とした。

 なお、KNTの個別業績については、下表を参照のこと。

※近畿日本ツーリスト(KNT)は2013年1月1日より持株会社に移行。業績は移行前のもの
※※KNTでは2013年度から、従来の純額表示(営業収益を記載)から総額表示(売上高を記載)に変更する予定