日本旅行、13年上期は北・中南米強化-欧州、アジアで新商品も
日本旅行は2013年上期商品で、アメリカ、カナダ、中南米の商品を強化した。2月5日に開催した自社支店向けの商品説明会で、東日本海外旅行商品部チーフマネージャーの阿部公宣氏は弊誌の取材に応え「アメリカ、カナダ、中南米はヨーロッパに次いで販売額が大きいエリア」と理由を説明。特に中南米は、日本旅行が13年上期の重点顧客層と位置づける熟年・シニア層からのニーズが高いとし、需要の取り込みをはかる考えを示した。
同氏によると、東日本の海外旅行の予約状況は、売上ベースで1月から3月は前年比18%増と増加。このうち、アメリカ・カナダ・中南米は1月から3月が116%増と大きく伸びており、特にカナダがオーロラブームで増加した。4月から6月も好調で、全体で35%増、アメリカ・カナダ・中南米では42%増と伸び調子だという。
上期商品ではアメリカ本土、カナダ、中南米で添乗員同行コースを増強。熟年・シニア層の取り組みを強化するとともに、アメリカについてはリピーターが多く、個人では効率的にまわることが難しい国立公園に焦点を当て、リピーター層の囲い込みもはかる。
また、ヨーロッパやアジア方面でも新たな取り組みを実施。熟年、シニア層向けにはテーマに特化した「心躍る旅」やクルーズに特化した「心満たされる旅」を新設した。女性層に対しては、女性担当者による提案型の企画商品「ヨーロッパ★トラベラー」を新たに用意し、「アジア★トラベラー」とともにシリーズとして販売を促進していく。さらに、専用サイト「プレシャス・エイジ」「たびーら」の活用により、商品ブランドの認知向上と販売促進をめざす。
このほか、ヨーロッパでは「大好き」シリーズで観光と快適性にこだわった商品を用意。例えばノイシュバンシュタイン城観光の際、オープン前に優先入場して観光するなど、効率化をはかった。また、アジアでは「ビジネスクラスで行くアジア」を新設。すでにヨーロッパで展開していた同シリーズをアジアで設定し、韓国や香港など近場のアジアに加え、インドネシアやカンボジアなど東南アジア方面のツアーを用意した。
阿部氏によると、東日本の予約状況で、アジア方面は尖閣、竹島の影響で韓国と中国が減少。特に韓国は1月から3月の売り上げベースで45%減となった。しかし、シンガポールやインドネシア、タイなど東南アジアで前年を大きく上回る推移を見せており、こうした需要の更なる取り込みもめざしていく。
なお、日本旅行全体の上期の目標は下記の通り。
▽上期目標(方面:目標数)
アジア:9万3000人
ヨーロッパ:4万5700人
ハワイ:1万400人
グアム・サイパン:1万4400人
アメリカ・カナダ:4200人
オセアニア:3400人
中国:2900人
合計:17万4000人(前年比5%増)