沖縄県、観光とMICEテーマにイベント開催、誘致を強化
沖縄県と財団法人沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は1月29日、「沖縄観光キックオフプロジェクト2013」の一環として「沖縄観光&MICEコンテンツフェア」を開催した。今年3月の新石垣空港開港、2014年春の那覇空港の国際線新ターミナル供用開始、那覇港クルーズ船ターミナルビル供用開始を控える沖縄県では「Be Innovative! OKINAWA」を新しいテーマとして、訪日旅行、国内旅行、MICEの誘致を加速させていく。
OCVB会長の安里繁信氏はオープニングプログラムの基調講演のなかで訪日旅行市場について触れ、「韓国、中国、台湾、香港の重点地域では、ダイレクトに効果のあるプロモーションを進め、他の地域では沖縄の知名度を上げる取り組みを続けていく」と説明。今後はタイ、マレーシア、シンガポールなど東南アジアからの観光客誘致にも取り組んでいく意欲を示した。
また、OCVBでは沖縄観光促進の一環としてMICE誘致も重視しており、参加人数に応じて、空港歓迎式の実施、芸能アトラクションの派遣、参加者全員への記念品贈呈などさまざまな支援サポートを提供。また、インセンティブプログラム、アクティビティー、パーティーなどの企画や手配のサポートも実施しており、こうした取り組みを通し、MICEの誘致をさらに強化していく考えだ。
沖縄県では2012年度の目標を訪日旅行者で前年比50%増、国内旅行者で10%増と設定。現在までのところ、訪日で38%増、国内で7.8%増で推移しているという。領土問題が表面化して以降、日本と中国、韓国間の交流は冷え込んでいるが、韓国からの旅行者については昨年12月で12月単月として過去最高を記録。一方、中国からの旅行者については、「中国人観光客に対するマルチビザの効果は大きい。需要は徐々に回復してきている。長期的に見れば引き続き有望な市場」(安里氏)と見る。来年度の目標について、2012年度の結果を踏まえて設定する予定だ。
また、安里氏は「流通の変化が起こっている」と沖縄観光の現状について言及。国内外のLCCの就航などにより、「団体旅行から個人旅行への流れが強まっている」と分析する。そのなかで、旅行会社や航空会社頼みの観光から脱却し、地域主体の観光商品化の必要性を強調するとともに、今の価値観を維持しながら「Be Innovative、新しい価値を創造する」ことの重要性を訴えた。