フィジー、サイクロン「エバン」フィジー西部直撃に伴う影響

  • 2012年12月25日

 先日、フィジー諸島北方の海上にて発生した熱帯低気圧が東へと遠ざかり、大型トロピカル・サイクロン(台風)「エバン」(Evan)に発達しておりましたが、何とこのサイクロンが2012年12月14日未明にサモアの首都 アピア付近で大きく方向転換し、ブーメランのように180度進路を変え勢力を強めながらフィジー諸島に戻ってまいりました。

 その勢力を「カテゴリー4」(5段階中)まで強めた同サイクロンは、フィジー諸島北西部より進路を南東にとり、12月17日にはバヌアレブ島西部からビチレブ島西部(ラウトカ付近など)を直撃いたしました。

 同日19:00頃のナンディへの最接近時前後における中心部の気圧は945ヘクトパスカル、中心付近の平均風速51m、瞬間最大風速75mというこの大型サイクロンの影響により、主に海外からの旅行者が多く滞在するナンディ、ママヌザ諸島、ヤサワ諸島などでは木々が倒れ、また建造物の屋根や看板が吹き飛ばされた他、ナンディ国際空港では駐機中の軽飛行機が何機もひっくり返るなど大きな被害が生じたものの、幸いにも死者や重傷者は報告されておりません。

 今回のサイクロンでは、洪水による被害が発生しなかったこともあり、場所によって大きな木や看板等の倒壊により片側通行や徐行を強いられる箇所が生じた以外は、主要道路で通行不可能な箇所はありませんでした。またナンディ・タウンやポート・デナラウ・マリーナ等の商店、レストラン等のほとんどが、既に平常営業を行っております。

 ナンディ国際空港も台風が最接近した17日には閉鎖されたものの、翌日の午後には再開いたしました。

 一方、ママヌザ諸島やヤサワ諸島への定期船やクルーズが発着するナンディの「ポート・デナラウ」では、メインのコンクリート製の桟橋Bは無事だったものの、その両側の浮遊式桟橋AとCの被害が大きく、完全復旧には数ヵ月を要する模様です。

 なおママヌザ諸島およびヤサワ諸島のリゾートにご宿泊のお客様のほとんどが、サイクロン襲来の前日16日までにフィジー本島に移動(避難)いたしました。

 これらリゾートの定期船を運航する「サウス・シー・クルーズ社」では、17日より全便を欠航しておりましたが、現地時間昨日 24日より運航を再開いたしました。ただし、ママヌザ諸島航路については、リクリク、マロロ、キャスタウェイといったリゾートが来年3月末までの休業を決定しているため、3月末までは通常の5便を3便に減便・統合しての運航となります。

※運航スケジュール詳細: URLhttp://ssc.com.fj/irc_timetable.aspx

 ナンディ地区では、サイクロンが襲来した17日(月)~20日(木)の間、ほぼ全面的に停電(主要ホテルは発電機により最低限の電源は確保)、携帯電話回線、ラジオ放送も一時期非常に不安定な状態となりましたが、水道は概ね正常、また固定電話および固定電話回線を利用したインターネットも、電話線が切断された箇所以外では機能しておりました。

 主要ホテル・リゾートの被害も最小限で、一時的に休業したところも現時点では再開しておりますが、以下のホテル・リゾートについてはかなり大きな被害が生じたことから、現在、復旧作業に伴い一時休業となっております。

■ 現在、休業中のホテル・リゾート
〔2013年1月14日まで休業〕
* トレジャー・アイランド・フィジー
〔2013年2月末日まで休業〕
* ヤサワ・アイランド・リゾート
〔2013年3月01日まで休業〕
* ウェスティン・デナラウ・アイランド・リゾート&スパ
〔2013年3月末日まで休業〕
* リクリク・ラグーン・リゾート
* マロロ・アイランド・フィジー
* キャスタウェイ・アイランド・フィジー
なお、これ以外のホテル・リゾートにおいても、当面、一部施設やサービス、アクティビティがご利用いただけない場合や、風害により一部景観が損なわれている場合がありますのでご了承ください。

 日本人のお客様に人気の高いママヌザ諸島の「マナ・アイランド・リゾート&スパ」は、現地12月24日より営業を再開しておりますが、当面の間、一部客室(ハネムーン・ブレ、オーシャン・フロント・スイート)およびサウス・ビーチ・レストランはクローズとなります。(食事はママヌザ・レストランでのビュッフェのみ提供)、また海水淡水化装置のダメージにより00:00~06:00の時間帯は断水となる他、倒木等の影響によりルックアウト・ポイントへの立ち入りは禁止となっております。

 これからご旅行をご予定の方は、予めご了承ください。


情報提供:株式会社ユー・ティ・アイ・ジャパン日本海外ツアーオペレーター協会