主要58社、上期の海外旅行は12.8%増、後半失速

  • 2012年11月14日

 観光庁が取りまとめた主要旅行会社58社の旅行取扱概況で、2012年度上期(2012年4月~9月)の海外旅行取扱額は前年比12.8%増の1兆2588億5614万円となった。

 第1四半期は25.1%増の5582億7799万円と大きく増加したが、第2四半期が9月に前年割れしたこともあり、4.6%増の7005億7815万円と失速した。2011年7月には日本人出国者数がプラスに転じるなど需要が回復しており、震災からの反動の効果が一巡したことや、尖閣・竹島問題による需要の減退が背景にあるものと見られる。

 企業別でみると、取扱額はジェイティービー(JTB)グループ14社の合計が20.0%増の2717億2601万円で1位となり、2位以下はエイチ・アイ・エス(HIS)が8.7%増の1812億9760万円、阪急交通社が23.6%増の1490億6471万円、近畿日本ツーリスト(KNT)が6.7%増の733億4127万円、日本旅行が2.6%増の698億6703万円などとなった。

 伸び率で見ると、海外旅行を取り扱っている57社のうち、49社がプラス成長。伸び率の上位に入った企業では、JTB東北が85.9%増の71億2039万円と最も高く、JTBグローバルマーケティング&トラベル、i.JTBなどが続いた。JTBグループ以外では読売旅行の27.5%増の49億2936万円が最高となっている。

 前年割れをした企業8社では、日立トラベルビューロー、エムオーツーリスト、阪急阪神ビジネストラベル、内外航空サービスと業務渡航を中核事業とする旅行会社が目立つほか、急成長を遂げてきた楽天トラベルが2.1%減とわずかながら前年を割り込んでいる。

 募集型企画旅行の取扱状況では、取扱額が14.5%増の4129億6864万円と全体の伸びを上回り、取扱人数も13.9%増の223万4808人となった。2010年比で見ると、取扱額は13.7%増、人数は2.7%増となっている。

 なお、海外旅行以外の取扱概況は、外国人旅行が94.3%増の323億5402万円、国内旅行が9.1%増の2兆245億7961万円で、合計は10.9%増の3兆3157億8976万円であった。


▽9月単月は6.3%減、プラス成長は12社に

 主要旅行会社58社の9月単月の取扱概況で、海外旅行は6.3%減の2159億1125万円。取扱規模ではJTB14社、HIS、阪急、KNT、日本旅行の順位は変わらず、伸び率ではi.JTBが19.9%で首位。前年を上回ったのは12社のみで、JTBグループ以外では京王観光が10.5%増と2桁増を記録した。

 募集型企画旅行では、人数は2.0%減の39万6252人、取扱額が4.2%減の712億5663万円。10年比でも取扱額が0.8%減、人数が4.4%減となっている。


▽主要旅行会社取扱概況データ(Excelファイル)
9月単月
上期
上期(詳細データ)