トップインタビュー:ジャルパック代表取締役社長の二宮秀生氏
新生JALパックブランドに統一効果
付加価値の高い「いい旅、新しい旅」を追求
-“JALパック”ブランドに関する取り組みと、JLグループの経営戦略との関係についてお聞かせください
二宮 ジャルパックでは、今年を「JALパックブランド確立の年」と位置づけているが、海外パッケージでは先駆けとしてそもそも認知度が高い。一方、国内ではもっと確立していく必要がある。2年後、ジャルパック誕生50周年を迎えるが、それに向けて今年、来年とブランド戦略にしっかり取り組んでいく考えだ。
ブランド確立という意味では、当然JL路線とリンクして商品を造成していく。JLの中期計画では、ボーイングB787型機を利用して長距離路線を拡大していく方針だが、ジャルパックとしても新しいボストン、サンディエゴ、ヘルシンキ線を利用した商品にも注力していく。他社では見かけないが、サンディエゴ専用のパンフレットも造った。JLのB787のよさを紹介しながら、ジャルパックらしい商品造りを心がけている。
また、JLが他の航空会社よりもいいプロダクトとサービスの提供をめざしていることに合わせ、安売りには巻き込まれないところにポジションをとりたい。ビジネス需要を考えて、路線展開を考えているところはあるものの、曜日によって需要の偏差があるのも事実で、JLとしてもレジャー需要は重要だと考えている。座席数は減少し、JLも昔のように安売りはしないが、ジャルパックとしてはそこに付加価値を付けて売っていきたい。
他社便の利用についても、コードシェア便は部分的にはあるものの、JL便利用の商品造成が基本。それ以外は是々非々で対応していく。LCCについては、一般論でいうところのLCCと組むことはないだろう。JLはフルサービスキャリアとしてLCCとは一線を画している。
-旅行会社が提供できる品質とはどのようなものだとお考えですか
二宮 まず、飛行機は海外旅行のなかでも長い時間を占めるものだけに、JLを利用することで質の高い付加価値を提供できると思う。ホテルについても、ジャルパックの基準に基づいて厳選している。ハワイでは、ホテルによってダイレクトチェックイン、専用ラウンジ、ジャルパックだけでしか泊まれない部屋などを用意している。ヨーロッパなどでは、ゆったりした旅の提案として連泊を増やした。また、ファミリージェットなどテーマに応じたアレンジもニーズに合わせて提供している。このほか、世界遺産認定TCなど添乗員にもこだわりたい。
素材の単なる組み合わせではなく、「仕合わせる」商品を造成していくことが大事。それが「幸せ」につながると思っている。日本の文化の特徴として、バンパーの裏側まで磨くといわれるが、お客様が見えないところでも気を配っていくような商品造りが大切だろう。