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ANAグ、通期予想で売上高を下方修正-尖閣、竹島の影響などで

  • 2012年10月31日

 全日空(NH)グループは2013年3月期(2012年4月1日~2013年3月31日)の連結予想において、売上高を300億円減の1兆4700億円に下方修正した。欧州の債務危機など世界的な景気の減速感、原油価格の高騰などの要因に加え、尖閣問題、竹島問題で国際線旅客収入が減少するとの見通しだ。NH常務取締役執行役員の殿元清司氏によると、上期で当初計画値の140億円減収となっており、下期でも160億円の減収を見込む。300億円のうち100億円程度は尖閣問題や竹島問題の影響によるものだという。

 上期の140億円のうち、旅客収入では国内線が沖縄の台風の影響などで25億円減収。国際線は55億円の減収で、このうち15億円程度は尖閣、竹島問題の影響と見る。一方、下期は尖閣、竹島問題の影響が拡大し、国際線で第3四半期で60億円、第4四半期で20億円程度の減収となる見込み。

 殿元氏によると、中国路線は売上の4%強にあたる600億円程度を占めており、需要のうちビジネスは6割、レジャーは4割。ビジネスは底を打ち回復基調にあるが、レジャー需要、とくにパッケージツアーの回復は遅れるとの考えだ。

 一方、営業利益、経常利益、当期純利益は前回発表を維持し、それぞれ1100億円、700億円、400億円とした。殿元氏によると、コスト削減が想定以上に成功しており「減収見込額と同程度の営業費用を削減できる見通し」だ。上期は当初計画よりも約150億円減少。通年で減収額とと同じ300億円の削減をめざす。

 コスト削減では、減価償却費において、営業系システムの稼働が遅れていることや、航空機の改修が見込みより減ったことで125億円程度減少。そのほか、人件費で60億円、整備備品外注費で45億円、販売コストで25億円の削減できる予想だ。