成田、9月の国際線旅客数は5%増-日本人旅客2%減、尖閣の影響で

  • 2012年10月28日

 成田国際空港(NAA)が発表した2012年9月の利用実績(速報値)によると、国際線旅客数は前年比5%増の251万9276人となり、9ヶ月連続で前年を上回った。NAAでは、東日本大震災や原発事故の影響からほぼ回復したとみる。ただし、日本人旅客は中国の尖閣問題の影響などから2%減の152万5520人と減少。外国人旅客は震災の反動もあり17%増の57万1690人、通過客は18%増の42万2066人だった。国際線旅客便の発着回数は6%増の1万2521回となった。

 NAAによると、尖閣問題をきっかけとした日中間の外交問題が長期化するなか、9月下旬から旅客数や発着回数に影響が出てきているという。9月は中国線は発着回数ベースで48回分のキャンセルがあり、乗り継ぎ需要を除く成田発の出国者数も10%減少。10月1日から20日までの速報値では、発着回数ベースでは中国線全1475回のうち225回がキャンセルとなり、出国者数も30%減とさらに減少した。

 一方、同じく領土問題を抱える韓国は、旅行会社からのヒアリングによると修学旅行など団体旅行のキャンセルが発生しており、航空会社も一部減便があるが、あまり大きな影響はないとの見方だ。9月の方面別旅客数は下記の通り。

 なお、国内線旅客数は日系LCC2社の国内線就航が奏功し、137%増の35万2790人、国内線旅客便の発着回数は94%増の3283回となった。


▽国際線方面別旅客数 9月(方面/前年比/人数)
太平洋/9%増/34万6800人
アジア/3%増/24万6700人
中国/9%減/12万200人
欧州/10%増/19万500人
韓国/5%減/10万7100人
台湾/14%増/7万人
香港/14%増/5万8300人
オセアニア/22%増/3万9700人
グアム/9%増/6万2700人
アフリカ/※/3000人

※エジプト航空(MS)が2011年2月8日から運休していたため、前年比はない