JTB法人東京はこのほど、栃木県那須町で那須温泉旅館組合、三菱自動車工業の協力のもと、「EV（電気自動車）モビリティ観光活性化事業」の実証実験を開始した。宿泊施設にEVを導入することで、那須エリアの課題である、宿泊施設から周辺のレジャー施設などへの二次交通でEVを活用するビジネスモデルの確立をはかる考え。宿泊者へのレンタカー事業に加え、閑散期の業務用車両としての利用も見込む。

　今回の実証実験では、松川屋那須高原ホテル、大丸温泉旅館、エピナール那須、サンバレー那須の4つの宿泊施設に三菱自動車のEV「i－MiEV（アイミーブ）」を各2台ずつ配備し、充電器も整備。11月末まで、宿泊客が午前または午後の3時間EVを無料レンタルできる「EV無料試乗体験3時間つき宿泊プラン」を販売する。実証実験後は、利用実績やレンタカー料金などを検証し、2013年春までに、宿泊施設を発着拠点とした有料EVレンタカーの事業化をめざす計画だ。

　なお、JTB法人東京では、那須で構築したビジネスモデルをもとに全国の観光地域でEVモビリティ観光活性化事業を推進し、2017年までに全国30の観光地域で導入をめざすとしている。