カナダ、13年の日本予算は10%増-旅行会社、メディアに体験訴求

  • 2012年10月17日

(左から)CTC日本・韓国・南米地区担当ディレクターのシボーン・クレチエン氏、国際担当副社長のチャールズ・マッキー氏、日本地区代表のモリーン・ライリー氏 カナダ観光局(CTC)国際担当副社長のチャールズ・マッキー氏は10月16日、大阪で開催中のトレードショー「ショーケース・カナダ2012」で、2013年の日本向け予算を10%増加すると発表した。日本はカナダにとって重要な市場であるため、他国への市場への予算が減少するなか日本市場の予算を増額したと説明。13年は今年に引き続き、旅行業界とメディアに予算を投入してプロモーションを展開し、渡航者増をはかる方針だ。

 CTC日本地区代表のモリーン・ライリー氏によると、2012年1月から7月までの日本人渡航者数は11.9%増の11万6611人。今年は通年で前年比14%増をめざしており、13年も12年比で10%増を目標に設定した。マッキー氏もエア・カナダ(AC)の成田/カルガリー線の増便、通年化で供給座席数が約10%増えるとし、「足並みを揃えて(渡航者数を)増やしていきたい」と意欲を示した。

 13年は、今年の1月から開始したカナダ独自の体験プログラム「シグネチャー・エクスペリエンス・コレクション(SEC)」のプロモーションを継続し、旅行業界とメディアを対象にSECを訴求していく。ライリー氏によると、現在は日本市場向けに48のSECを紹介。40以上のSECがパッケージツアーに採用されており、今後も旅行会社に対し、セミナーやオンライン教育プログラムでアピールし、商品造成につなげていく方針だ。また、SECの8割以上がメディアに取り上げられており、今後も体験や冒険に興味がある客層をターゲットに、新聞、雑誌、ラジオなどを活用してカナダ独自の体験を打ち出していく。

 さらに、SECの数も増やしていく。現在はグループ向けのSECを中心に紹介しているが、体験を求めるFITが増加したこともあり、今後はFIT向けの体験をSECとして積極的に取り上げていく計画だ。

 また、13年は大阪市場に対する取り組みをさらに強化していく。CTCでは11年から大阪市場の再活性化に取り組んでおり、今年もセミナーの開催に加え、大手旅行会社3社に働きかけて商品数を増やすなどプロモーションを強化。大手を中心とした旅行会社の送客数は、12年1月から7月で前年比約20%増となっており、なかでもJTBワールドバケーションズはユナイテッド航空(UA)を活用して商品数を増やし、交通広告も積極的に展開。取り扱い人数は前年の6倍に増加したという。

 今回のショーケース・カナダも大阪で開催しており、ショーケースに参加した日本のバイヤー42社55名のうち、大阪を含む西日本のバイヤーが全体の4割強を占めた。カナダからのセラーは87社145名が参加した。