旅行業倒産、8月は前年並みの3件-宿泊業は2件増の10件
東京商工リサーチ(TSR)によると、2012年8月の旅行業倒産件数は前年と同様の3件となり、7月の8件から大きく減少した。東日本大震災関連の倒産は0件だった。8月は旅行のオンシーズンであり、倒産は落ち着いているとの見方だ。
倒産した3件とも負債総額1億円以下の小規模企業。このうち第3種旅行業の旅太郎は推定負債が5000万円で、財務基盤の安定性にかけており、TSRでは夏を乗り切る資金力がなかったため破産したと推察。他の企業の資本金も500万以下が中心であったことから、小規模企業が販売不振で倒産したとしている。負債総額は1億2000万円(前年:3億6300万円)だった。
宿泊業では、前年より2件増加し10件となったが、7月比では3件減少した。震災関連倒産は4件で、未だ業績の回復が見られず、震災の負担を引きずっており、ここにきて行き詰まるケースが見られるという。
例えば、知多半島の和風旅館経営の「海風」は負債総額が29億円で、過去の設備投資負担の借入金に加え、震災による売上不振が続き、4期連続の赤字から民事再生手続きをとった。宿泊業の負債総額は171億7900万円(前年:14億9400万円)。宿泊業の倒産は、全業種合計の倒産件数が前年比5.75%減の967件と減少するなかでは高水準に推移しているという。