アクセスランキング、1位はピーチインタビュー、AA合併交渉も

  • 2012年9月7日

[総評] 今週は、ピーチ・アビエーション(MM)代表取締役CEOを務める井上慎一氏のインタビューが1位になりました。MMはエアアジア・ジャパン(JW)、ジェットスター・ジャパン(GK)との組み合わせで耳目を集めており、今回のインタビューも多くの方に読んでいただけたのではないかと思います。

 MMは、当然のことながらJW、GKの2社だけでなく、フルサービスキャリアを含む多くの航空会社と競争関係にあります。先々週の当欄でも触れた通り、関空は日本で最もLCCの競争が激しい空港です。その関空で、「日本初の本格的LCC」として手探りでビジネスモデルを構築しようとする井上氏のお話しは、変わりつつある日本の空の今後を予想する上でも有意義であると思われますので、是非ご一読いただきたいと思います。

 今週はこのほかにも、航空関係で気になるニュースがいくつかランクインしました。まず3位には、ユナイテッド航空(UA)が成田/ロサンゼルス線にボーイングB787型機を投入する記事が入っています。デンバー線もB787ですし、新造機が2機も日本路線に導入されることは嬉しいところです。

 ただ、UAの成田/ロサンゼルス線は現在B777型機で運航しているところを置き換えるわけですから、座席数は減少します。仮に1便あたり40席としても1週間で280席、1ヶ月で1200席となり、おそらく旅行会社を通して流通する座席数もかなり減るでしょう。

 不思議なのは、ロサンゼルス線はアメリカン航空(AA)が羽田からB777による路線設定を米国運輸省に申請している(リンク)点で、羽田と成田の違いがあるとはいえ、東京/ロサンゼルス間というほぼ同じ市場の中で、一方では座席を減らし、一方では増加しようという相反する動きが出ていることになります。

 このほか、5位にはAAとUSエアウェイズ(US)の合併交渉の記事が入っています。チャプター11申請から合併交渉ということで一般紙でも盛んに取り上げられていましたが、旅行業界にとっても非常に大きな話題です。なんといってもワンワールドとスターアライアンスにまたがる話ですし、仮にAAがスターアライアンスに移るようなことがあり得るとすれば、日本航空(JL)にとっても大変な影響が出るでしょう。

 合併といえば、5位にKNTとクラツーの準備状況についての記事も入っているところで、2012年も3分の2が過ぎたわけですが、2013年はまた旅行業界が大きく揺れ動く1年になりそうなニュースが続いています。2012年は出国者数も順調に伸びており、このままいけば過去最高を更新すると予想されていますが、これに安心することなく、トラベルビジョンとしても2013年に向けて業界全体を見渡して情報をお伝えしていきたいと考えています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2012年9月第2週:9月2日0時~9月7日17時)
第1位
トップインタビュー:ピーチ代表取締役CEOの井上慎一氏(12/09/06)

第2位
インタビュー:デルタ航空アジア太平洋担当上級副社長デューベ氏(12/09/04)

第3位
ユナイテッド航空、B787を成田/ロサンゼルス線に-新導入路線発表(12/09/02)

第4位
日本旅行中間決算、営業損失も大幅改善、経常損益は黒字化(12/09/02)

第5位
KNTとクラツー、統合の準備着々-団体事業会社は年商1300億へ(12/09/06)

第6位
アメリカン航空、USエアと合併交渉、秘密保持契約結ぶ(12/09/03)

第7位
エジプト航空、関空線を再開、1年10ヶ月ぶり-12月から(12/09/06)

第8位
成田、2タミ南側施設を供用開始へ、LCC2社が使用(12/09/03)

第9位
日本航空とBA、東京/ロンドン線コードシェア、共同運賃も設定(12/09/05)

第10位
全日空、iPadでサービス向上、全乗務員が携行(12/09/03)