KNTとクラツー、統合の準備着々-団体事業会社は年商1300億へ
近畿日本ツーリスト(KNT)代表取締役社長の吉川勝久氏は9月5日、“第1回国内大交流コンベンション”の場で、KNTとクラブツーリズムの経営統合について「8年前に戻るのではなく、KNTを進化させる」と意気込みを示した。また、準備状況については、「(統合の期日である)1月1日になってから変わるというものではない」と語り、統合直後から新体制での営業を展開できるよう取り組んでいると説明した。
統合発表後、統合準備委員会と複数の分科会を設置して制度面や営業戦略について議論しているほか、9月3日にはKNTの個人旅行と団体旅行をそれぞれ事業会社として分社化。事業会社の正式な社名は検討中だが、消費者に浸透している“近畿日本ツーリスト”のブランドを「できるだけ分かるような形」としたいという。
団体旅行では、事業会社社長に就任するKNT常務取締役の小川亘氏が「9月中には3ヵ年の中期経営計画もできあがる」と説明。組織は2000名規模で、年間の売上は1300億円をめざすという。また、クラツーとのシナジー効果については、KNTの地域誘客事業とクラツーの独自イベントの親和性を例示した。
一方、個人旅行の事業会社については、クラブツーリズム代表取締役社長の岡本邦夫氏が兼務することが決まっているが、岡本氏のもと管理職や幹部を集めて討論やレポートの提出など検討を進めているところだ。
なお、“第1回国内大交流コンベンション”は今年初めて開催するもので、吉川氏は「発地のニーズと着地のニーズを融合すること」が目的と説明。海外では「大海外旅行交流コンベンション」を定期的に実施しているが、国内でも今後、毎年実施していきたい考えだ。
懇親会にはKNT側が200名、KNT協定旅館ホテル連盟とKNT全国ひまわり会から200名が参加。吉川氏は、参加者に向けて「(クラツーとの統合で)いろいろなシナジー効果を考えている」と語り、「統合自身、我々とクラブツーリズムのものでなく、パートナーの皆さんとも一緒になる統合」であると強調。その上で「大きく期待していただくとともに、ご支援ご協力をお願いしたい」と語りかけた。