中国ハーツとMKタクシーが業務提携-「安全・安心」でビジネス客がターゲット
中国ハーツとタクシー会社のエムケイ(MK)グループが運営するPCS(Personal Chauffeur Service)は8月8日に業務提携を締結し、9月3日に都内で合同記者会見を開催した。これに合わせ、現地から中国ハーツ代表取締役のエドワード・フー氏、PCS上海の代表取締役の青木政明氏が来日。また、ハーツ・アジア・パシフィック代表取締役の廣脇敬氏、東京エムケイ代表取締役の竹内淳吉氏も登壇した。
提携内容は、中国ハーツが車両を提供し、PCSがドライバーを派遣。上海での空港送迎のほか、月間契約のショーファー(お抱え運転手)サービスを展開する。FITの予約も可能で、場合によってはPCSがドライバーのほかにガイドを同行させることもできるという。一般のタクシーよりは高額だが、安全を配慮した運行やいつでも「自分の運転手」という安心感など、サービス内容を充実させることで差別化をはかっていく。両社が提供するサービスをあわせ、東京と上海の両拠点間でドアツードアの地上交通手段をワンストップで提供することが可能となる。
今回の業務提携には互いの持つ法人顧客へのサービス向上という目的がある。 青木氏によると「中国では国際免許が利用できないため、気軽にレンタカーを利用して自分で運転することができない」。そのため、レンタカー単体での旅行者向けビジネス展開としては付加サービスが必要となってくる。また、ハーツではこれまでも空港送迎をメインに事業展開してきたが、フー氏は「MKとの提携により付加価値として、ドライバーに観光案内や秘書的な役割を持たせることも可能になってくる」と話し、日本語の話せるドライバーがいるなどPCSのドライバーの質の高さに期待する。
今のところ日本語が話せるドライバーは1名で、そのほかは基本的な英語でのコミュニケーションが可能。8台の車で運行している。フー氏は「まだ始めて1ヶ月なので正確に数字をだすことはできないが」と前置きしたうえで、「上海には日系企業以外にも、東京にも拠点をおく外資系企業が多い。そういったビジネス客をとりこめれば、1年後には50台、3年後には300台と増やしていけるのでは」と展望を話した。今後、両社は共同で中国拠点の日本企業へアプローチしていくほか、航空会社やホテルなどと提携して業務を拡大していく所存だ。