現地レポート:グアム、MICE誘致を強化-2013年の大型施設開業を控え
100万人達成へ、MICEデスティネーションをアピール
~GVBスタディ・ツアーに87人が参加~
グアム政府観光局(GVB)は、7月下旬、「ハファディ・グアム・スタディ・ツアー2012」を開催した。毎年恒例となったスタディ・ツアーだが、今年のテーマは、昨年と同様のMICEだ。2年続けてMICEに絞ったスタディ・ツアーを催した最大の理由は、大型コンベンション施設の開業が2013年に迫っていること。大型団体を増やし、年間の日本人渡航者数を100万人の大台に載せたいという思惑だ。各種イベント、ウエディング、教育旅行、スポーツ団体など、大小さまざまな規模の団体を呼び込みたいと期待が高まっている。日本10都市から集まった旅行会社の団体旅行担当者などの参加者は87人。GVBと航空会社、各観光施設が協力したスタディ・ツアーを取材した。
グアムならではのMICEで
渡航者100万人を目指す
「1人1人がグアムの親善大使になってください!」と、7月21日に行なわれたMICEセミナーで檄を飛ばしたのは、グアム政府観光局(GVB)局長のジョアン・カマチョ氏だ。その後、今回のツアーをサポートしたユナイテッド航空(UA)、GVBのプレゼンテーションが続いた。グアムへの日本人渡航者数は、2010年は89万人、2011年は震災の影響もあり82万人に落ち込んだものの、2012年の1月から5月は前年比11.5%増の38万人で推移しており、年末までに100万人をめざしているという。それには、団体の比率を全体の15%から20%とする必要がある。グアムへの日本人渡航者の内訳は、2012年7月現在、パッケージツアーと団体が60%から65%、FITは25%前後となっている。
ビーチリゾートとしても人気が高いグアムは、企業主催のMICEで家族旅行も兼ねることができる。会議やイベントの後はもちろん、開催中でも妻や子供たちは、ビーチやホテルのプール、スパでくつろいだり、ショッピングに出かけたりと、遊びには事欠かない。GVBはプレゼンテーションで、MICEのセールスポイントとして、(1)全国10都市から直行便が就航、(2)日本から約3時間半と近い、(3)ESTAなしでも入国可能、(4)時差がわずか1時間、(5)空港からホテルまで約10分と近い、(6)1年中気候がいい、(7)バラエティ豊かなオプショナルツアー、(8)Wi-fi等の通信環境が整っている、(9)日本に近いアメリカで、円高で割安、(10)チャモロなどユニークな文化がある、の10点をアピールした
2011年7月にオープンしたグアム・カルチャー&エコ・パークもポイントのひとつとなっている。500年前のグアムを再現したパーク内では、チャモロ文化や歴史、グアムの自然を学ぶことができる。通常の観光はもちろん、MICEそのものの会場としても利用可能だ。今回のスタディ・ツアーでは、ディナー・ミーティングがビーチ沿いにあるオープンエアのレストランで行なわれた。食前にはビーチでの民族舞踊、続いてテーマパーク内で民族舞踏ショーを観賞し、グアムらしさが演出された夕食となった。さらに、食後にはサンドキャッスルの華やかなイリュージョンとアクロバットのショー「ドリーム」を観賞し、グアムの夜のプログラムを提案するための2大素材の視察となった。