ANAグ、第1四半期は4年ぶりの最終黒字-営業利益110億円
全日空(NH)グループの2013年3月期第1四半期(2012年4月1日~6月30日)の連結業績で、純損益は6億円の黒字(前年、以下同:84億円の赤字)となり、4年ぶりに黒字転換した。売上高は前年比12.5%増の3431億円と増加。営業損益は110億円の黒字(81億円の赤字)で、国際線を中心に事業規模が拡大したことで生産規模連動費用は増加したが、経営戦略に基づくコスト削減が奏功し、黒字化した。経常損益も46億円の黒字(144億円の赤字)となり、第1四半期は増収増益となった。
NH常務取締役執行役員の殿元清司氏によると、第1四半期として、売上高は過去4番目、営業利益は過去5番目、経常利益は過去6番目の実績を記録。「頑張った成果が出ているのでは」との考えだ。ただし、8月2日に日本航空(JL)が発表した第1四半期決算(リンク)に比べて、いずれの項目も下回っている。殿村氏は、「(JLの業績は)稲森氏をはじめ、JLの社員の努力が一番だった」としながらも、「債権放棄などによる実質無借金経営や、我々に比べて減価償却費が少ない点が、収支格差の要因ではないか」との意見を示した。
今後は引き続き経営戦略を推し進め、コスト削減をはかるとともに、先日発表した公募増資により、ボーイングB787型機を購入するなど設備投資をおこうとともに、自己資本率を高めて財務体質の改善をはかる。殿元氏は増資について「時をまたずに(戦略を)進めるという意味で、増資実行を判断した」と述べ、JLの再上場については「妨害するつもりは無い」とした。
また、殿元氏はピーチ・アビエーション(MM)について「カニバリ(食い合い)の影響はほとんどない」とコメント。機材の小型化や減便で関空発の需要は減っているが、伊丹発も加えると需要は減少しておらず、「MMの需要がそのまま上乗せで増えてきている。予定通り新規需要を取り込んでいるのでは」との見方を示した。MMのロードファクターは約7割で推移しており、比較的順調との考え。今後は国際線就航により、国外の需要も取り込んでいく方針だ。
次ページ>>>航空事業、売上高は11.7%増-内際とも順調に推移