政府、「日本再生戦略」で観光も重点戦略-LCCを欧米並みのシェアに
政府は7月31日に閣議決定した「日本再生戦略」で、11の成長戦略と38の重点施策に「観光立国戦略」として、観光振興が盛り込まれた。
観光立国戦略では2020年までの目標として、同年初めまでに訪日外国人旅行者数を2500万人、将来的に3000万人にすることを明示。2500万人による経済波及効果は約10兆円、新規雇用は56万人、休暇改革による国内観光需要の創出効果は約1兆円と試算する。また、新規需要の喚起による航空需要の底上げをはかり、国内外の航空旅客輸送に占めるLCCの割合を、欧米並みの2割から3割に拡大することも盛り込んだ。
また、2015年度の中間目標では訪日外国人旅行者数を1800万人とし、受入体制の強化として空港での外国人入国審査の最長待ち時間を20分とすることも盛り込んだ。また、国内における旅行消費額は30兆円、国際会議の開催件数を2010年の714件から5割以上増加させることも目標とした。
重点施策としては、訪日外国人旅行者の増大に向けた取り組みと受入環境水準の向上、および観光需要の喚起を掲げた。このうち、受入環境水準の向上では、東南アジアをはじめ新興国からの訪日客に対する査証発給要件の見直しにも取り組む。また、オープンスカイをアジア以外にも広げて展開していく。
観光需要の喚起では、柔軟な着陸料体系の構築など、LCCやビジネスジェットの参入促進に向けた環境整備に取り組む。同時に、多様なニーズに即するため、ニューツーリズムの振興やMICEの誘致・開催を推進。また、学校休業日の柔軟な設定や休暇取得の分散化など休暇改革の推進に取り組む。
日本成長戦略とは、2010年6月に閣議決定した「新成長戦略」を再編・強化したもの。東日本大震災以前よりも魅力的で活力にあふれる国家として再生するために進むべき方向性を指し示し、その実現をめざす。