12年上期の出国者、過去最高の894万人-6月の訪日外客、震災前水準に回復
日本政府観光局(JNTO)が取りまとめた2012年上期(1月~6月)の日本人出国者数累計(推計値)は前年比17.2%増の894万1000人だった。2010年比でも13.1%増で、今まで過去最高だった2001年上期を上回った。6月単月でも前年比16.4%増、10年比12.4%増の147万5000人となり、同じく過去最高値を記録した。
観光庁長官の井手憲文氏は20日に開催した定例会見で「アウトバウンドは好調。今まで最高の(2006年の)約1750万人に上回る勢いで進んでいる。非常によいこと」と喜びを述べた。インバウンドに加えアウトバウンドの増加もめざし、2016年までに2000万人達成をはかる考えだ。
訪日外客数の上期累計は、前年比42.9%増、10年比3.6%減の404万8600人で、震災前水準を下回った。しかし、6月単月では前年比58.6%増、10年比でも1.4%増の68万6600人となり、震災後初めて震災前の水準を上回る結果となった。井手氏は「マラソンで言えば、折り返し地点直前でやっと足が前にでてきた感じ」とし、「861万をできることなら超えて、上積みまでいきたいと思っている。後半をしっかり頑張り、前半の遅れを挽回したい」と意気込みを述べた。
6月は数次ビザの発給を開始したタイ(13万600人、11年比81.2%増、10年比36.5%増)、大型クルーズ船の寄港や個人旅行需要の拡大で増加した中国(12万9600人、111.0%増、25.0%増)が増加を牽引。また、タイ、中国、マレーシア(8400人、79.4%増、1.3%増)、インドネシア(9500人、95.7%増、19.6%増)、ベトナム(3500人、29.3%増、0.4%増)は6月単月と上期累計の双方で過去最高となった。
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