楽天トラベル、上期はスーパーセール効果高く-訪日やカード対応強化も

  • 2012年7月9日

楽天トラベル代表取締役社長の岡武公士氏  楽天トラベル代表取締役社長の岡武公士氏は、7月9日に開催した楽天トラベルサマーフォーラムで、上期(2012年1月~6月)を振り返り、楽天スーパーセールが予約流通総額の増加に奏功したとの考えを示した。

 岡武氏によると、楽天スーパーセールは6月3日から26時間限定で実施。セール期間の予約流通総額は前年比23.2%増となった。特に、開始から24時間以内(6月3日)の国内宿泊の予約流通総額は64.8%増となり、「閑散期に山を作れた」という。宿泊施設にとっても夏の需要獲得や稼働率の上昇、新規顧客獲得やリピーター顧客の掘り起こしなどにつながった。

 今後は今年の楽天トラベル10周年にあわせ、記念キャンペーンなどの新企画をたちあげて展開していく。さらに、「Golden 7 Days」や「10倍保証得旅キャンペーン」「夏休み特集」など、好評の企画や特集をさらに拡大していく考えだ。

楽天トラベル代表取締役副会長の山田善久氏  また、楽天トラベルではグローバル展開の一環として、インバウンドに積極的に取り組んでいく。同社代表取締役副会長の山田善久氏は「楽天トラベル全体の動きの中、国際展開していかないと将来はない、ぐらいの思いで(インバウンドに)取り組んでいる」と意気込みを示した。

 同社の場合、インバウンドは震災以来減少傾向にあったが、2011年秋ごろから回復基調となった。取り扱い数はまだ少ないというものの「足元の数字を見ると大分、立ち直ってきている」という。今後は会員宿泊施設各社に対し、インバウンドへの参入を広く訴えていく考えで、全国200名のインターネット・トラベル・コンサルタント(ITC)が国内に加えインバウンド対応のサポートを実施。さらに、宿泊施設の管理画面に、国内プランを元にインバウンド向けプランの作成、販売ができる機能を新たに搭載する計画だ。

 このほか、外国語サイトの全面リニューアルも行なう。検索機能の改善やわかりやすいウェブサイトの構成など、随時実施していく。言語ごとにネイティブのスタッフを配置して対応しているという。


▽カード決済拡大へ、新サービス展開も

 楽天トラベルでは、カード決済の拡大をはかる。同社では4月にオンラインでの事後カード決済サービスを導入。これにより、オンラインカード決済比率が前年比69%増の約27%まで増加したという。

 さらに8月1日からは宿泊施設ホームページ向け予約システム「R-with」で、事前カード決済サービスを開始する予定だ。R-withは宿泊施設のホームページにインターネット宿泊予約機能を付加するサービスで、2008年4月の開始以来7000軒以上の宿泊施設が利用している。今までは現地支払いのみだったが、宿泊者が宿泊日の90日前から事前カード決済で予約できるようにした。すでに7月から約30施設でテスト運用中だ。