日本政府観光局（JNTO）が取りまとめた2012年5月の日本人出国者数（推計値）は、前年比22.7％増の141万4000人となった。2010年比でも12.0％増と震災前の水準を上回り、5月としては過去最高を記録した。1月から5月の累計でも17.1％増の745万人となり、2010年比でも13.0％増となった。

　一方、訪日外客数は87.0％増の66万9000人。2010年比は7.3％減となったが、JNTOによると2010年5月は訪日外客数が顕著に増加したといい、市場全体では東日本大震災の影響から回復しつつあるとする。特に中国は11万3400人（11年比93.5％増、10年比0.7％増）、タイは2万4000人（11年比183.8％増、10年比41.1％増）で、5月として過去最高を記録。台湾も12万1100人（11年比78.2％増、10年比6.1％増）となり、5月で過去2番目に多い数値となった。このほか、マレーシア（206.8％増の1万2700人）、インドネシア（±0％の7100人）、ベトナム（59.3％増の2636人）などの東南アジア新興市場は過去最高となった。

　一方、韓国（15万7400人、11年比87.3％増、10年比21.9％減）、フランス（1万人、11年比70.5％増、10年比27.0％減）、ドイツ（8600人、11年比95.9％増、10年比21.4％減）など、円高や原発事故の影響による食への懸念等の影響により、回復が遅れているという。