ANTA、12年度事業計画承認-会員数16年ぶりに5500社割れ
全国旅行業協会(ANTA)は6月20日、第48回通常総会を開催し、2012年度の事業計画を承認した。計画では、東日本大震災や昨年9月の台風12号による紀伊半島の被害など自然災害により観光分野が大きな打撃を受け、観光需要はその後回復傾向にあるものの、東北や関東の一部では依然苦しい状況が続き、旅行業界の経営環境は厳しいと指摘。
こうした中で、国内観光では観光庁や自治体と密接に連携して「東北・東日本観光復興支援キャンペーン」を展開し、風評被害の払拭や送客支援を実施。また、「第9回国内観光活性化フォーラム」を開催して会員活動の活性化をはかり、国内各地の各種観光イベントなどへも協力する。
また、国際観光では、日中国交正常化40周年や麗水世界博覧会などを契機とした国際観光交流事業を積極的に推進し、海外旅行と訪日旅行の促進による観光立国実現に貢献するとした。
このほか、旅行業法に基づく活動として、苦情処理業務や弁済業務による旅行者保護を充実し、国内旅行業務取扱管理者試験と各種の研修を着実に運営、実施。さらに、2013年4月からの一般社団法人への移行に向け、準備、検討をおこない、2012年度中に移行認可を申請する計画だ。
なお、2011年度の新規入会は216社であったのに対して、退会は255社となり、正会員は前年度比39社減の5491社となった。正会員の数が5500社を割り込むのは1995年以来16年ぶり。
直近3年間で比較すると、除名などを含む正会員の退会は2009年度から326社、260社、255社と減っているが、入会も266社、252社、216社と減少。2011年度の特徴としては、退会理由に占める事業廃止の割合が2009年度と2010年度は80%弱であったのに対し、2011年度は87.1%と増えている。