JTB、夏の関西発海外は家族好調、ネット販売も増加-国内は東高西低
JTB西日本によると、2012年度第2四半期(2012年7月~9月)の海外旅行の販売状況は、円高基調の後押しもあり家族旅行商品が人気だ。家族向け商品「ルックJTBわいわいファミリー」は前年同期比59%増と増加しており、特に夏休みの家族旅行が好調だ。また、インターネットでのウェブ販売を意識し、定期的に廉価型商品「旅のアウトレット」を投入。ヨーロッパを中心に販売の増加に繋がっており、83%増で推移しているという。
ルックJTBやJTBお買得旅といった海外パッケージ旅行全体では6月1日現在で24.5%増となり、各方面別でもそれぞれ2ケタ増となった。特に「オセアニア」が95.4%増、「アメリカ」が71.9%増と大きく伸びた。また、2010年比でも海外パッケージ旅行全体で21.2%増と増加。「グアム・サイパン」と、上海万博の反動で減少した「中国」以外は増加しており、「アジア」が59.8%増、「ヨーロッパ」が30.7%増となった。
国内旅行では、7月東京スカイツリーを全面に押し出した商品が好調だ。6月2日現在、梅雨明けの夏休み以降での「東京・横浜」方面の販売数値も84.9%増となっている。たとえばエースJTBの「東京下町物語」でも782%増、「夏ウルトラバリュー東京・横浜」も309%増となった。
また、今年は関西地域の電力不足で節電が深刻化するとの予想から、高原などへの避暑地への旅行が好調だ。「信州まるごと大冒険」で47%増、「秘湯・鄙の湯・隠れ湯を探して」は45%増となった。JTB西日本では宿泊数を例年より伸ばすロングステイなどの旅行の提案を進めており、「今年の旅は家族でゆったりのんびりじっくり北海道」など新規商品も投入しているという。
方面別では、前年の震災の影響から、東高西低の状況だ。6月2日現在、2011年比では震災の影響があった東日本は回復したが、西日本は前年の反動で販売が鈍い。全体では10.3%増で、「関東・上越」は113.8%増、「東京ディズニーリゾート」は85.1%増と大きく前年を上回った。しかし、2010年比では全体が9%減と全般的にまだ戻りきっておらず、「伊勢志摩」「北近畿」「九州」のみ増加となった。また、日並びが7月の「海の日」絡みの連休が前倒しとなり、夏の家族旅行が増える夏休みとの連動が薄いことから、旅行全体、なかでも国内旅行で7月の販売数値の動きが鈍くなっているという。