HIS、国内LCC就航で需要拡大期待-店舗でパッケージツアー販売
エイチ・アイ・エス(HIS)は、国内旅行事業の強化に向け、新興LCCの活用や国内店舗でのパッケージ商品販売を積極的に展開していく。同社代表取締役社長の平林朗氏は「国内は参入障壁が高い市場だったが、LCCにより相当参入しやすくなる」とし、本腰を入れて取り組む考えを示した。現在、国内旅行の売上高は全体の2%から3%だが「市場からすると海外よりも国内のほうが大きい。(海外と)同等以上にはいずれしていきたい」と意欲を示した。
国内旅行の場合、パッケージツアー造成用のIT運賃は出発10日前が申し込み期限となっているが、平林氏は「LCCは前日まで受け付けると発表している。その部分(の変更)だけでもだいぶ変わる」と期待をみせる。また、ハウステンボスがある九州にもLCCが就航することで、提供座席数が増えるとメリットをあげた。すでにLCC各社とパッケージ商品の造成に向け協議を進めており、近日中にも商品を展開する考え。旅行代金は「感覚値としてだが、20%から30%くらいは安くできそう」だという。
また、国内にある265店舗のネットワークを活用し、店頭で国内パッケージ商品の販売を本格的に展開していく。平林氏によると、若年層の旅行需要が伸び悩むなか、HISでは若年層の取扱いが10年間伸び続けているといい、海外旅行でHISの利用度が高い若年層に対し、国内パッケージツアーを訴求していくことで新規市場を開拓していきたい考えだ。
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