エアアジアX、旅行会社経由の販売に意欲-ビジネス、レジャーターゲットに
エアアジアX(D7)は旅行会社経由の販売に意欲的だ。6月7日に開催した、旅行会社向けのアマデウス予約・販売セミナーで、D7日本支社長の坪川成樹氏は、LCCは「確実にビジネスのチャンス」と訴え、「販売促進のため、エアアジアを1つのツールとして扱うことは、これからの皆様のレベニューに繋がるのではないか」と語りかけた。
坪川氏によると、現在の販路は直販7割、旅行会社経由が3割。しかし、アマデウスが5月に提供を開始した、エアアジアグループの航空座席予約・販売ツール「Amadeus LCC Smart(アマデウスLCCスマート)」により、「最初の1年で旅行会社経由が4割から5割へと増えるのでは」と期待を示した。
坪川氏によると、D7のターゲットとなる顧客層は、富裕層からミドルクラス、ワーキングクラスまで幅広い。また、現在はレジャーで家族のグループが多いが、ビジネス需要もターゲットにしていく。業務渡航での利用者は運賃が安いため、出張する機会や人数が増えたとの声があがっており、ビジネス需要は充分あるとの考え。一方、個人でD7のウェブサイトから購入する手間を指摘する声もあり、インハウスをはじめ旅行会社にとってはチャンスと見ている。
また、旅行会社に対し、エアアジアグループのネットワークを活用したアジアでの周遊型旅行も提案。既に数社とパッケージツアー用の卸価格も設定しているという。航空券は片道から購入可能であるため、パッケージツアーのオプショナルとして利用することも示唆した。
さらに、坪川氏は「低価格で高品質な商品を年中提供できれば頻度多く利用してもらえるのでは」とし、品質の向上と安全性をアピール。リピーター層の取り込みも引き続き実施していく考えだ。たとえばエコノミークラスのシートピッチは31から32インチと「日系航空会社の国際線と同じ」に設定。また、LCCとして初めてフラットベッドも導入。今後は来年前半をめどに、機内でWi-fiサービスも提供するなどサービスの向上をはかる。
また、同氏はD7は日本就航以来、1時間以上遅延したことはなく、キャンセルも1度もない点をあげ、定時運航性をアピール。昨年は東日本大震災により運休する航空会社が出てくるなか、D7は「人々に低価格の足を提供したい」との考えから、運航し続けた。整備もフィリピンのルフトハンザ・テクニークに外注し、ヘビーメンテナンスを実施しているという。加えて、1機あたりの座席数を377席と多めに設定し、1日の機材使用率も18時間と大手航空会社と比べて35%から40%高めることで、ユニットコストも約3円と抑えることで、サービスや安全性を損なうことなく低運賃を実現しているとした。