HIS、業績予想を上方修正-営業利益は9%増の120億円見込む
エイチ・アイ・エス(HIS)は5月25日、2012年10月期(2011年11月1日~2012年10月31日)の連結業績予想を上方修正した。上半期が好調で、下半期も計画通りに推移する見込みから、売上高は0.5%増の4460億円、営業利益は9.1%増の120億円を予想。経常利益は営業利益に加え受取利息などの営業外収益の増加により12.0%増の140億円となる見込み。当期純利益は17.3%増の88億円となる予想だ。
同社によると、上半期は第1四半期では旅行事業で航空券販売システムの改修などが奏功しオンライン販売が好調に推移したほか、各国からのアウトバウンド事業、他の旅行会社からのBtoB事業が順調な伸びを示した。第2四半期は東日本大震災の反動から旅行需要が増加。さらに、費用対効果を高める経費削減策が奏功したことなどから好調だった。また、ハウステンボスも新規イベントが好評で、場内消費機会の拡大により顧客単価の改善が見られるなど順調に推移した。
下半期は世界経済の動向や燃油サーチャージの上昇など懸念事項はあるが、円高傾向を背景にゴールデンウィーク期間中の集客が好調に推移。夏の予約も堅調であることから、計画通り推移する見込みだ。
また、2012年10月期第2四半期(2011年11月1日~2012年4月30日)の連結業績予想についても、営業利益を25%増の50億円、経常利益を30.6%増の64億円、当期純利益を46.4%増の41億円に修正した。一方、売上高はHIS経営企画室によると「当初予想をもともと強くみていた」ことや、燃油サーチャージの変動、市場動向に合わせた商品価格設定の変化などにより、1.6%減の2012億円となる予想。前回発表予想値は下回るものの、前期実績の1759億2300万円は大幅に上回る見込みだ。
なお、HISでは九州産業交通ホールディングスを連結子会社化するため、5月23日から6月19日までの期間、株券に対する公開買付を実施中だ。公開買付が成立した場合の通期業績予想に与える影響については現在精査中とし、業績予想修正の必要性や公表すべき事項が生じた場合は速やかに開示するとした。