日本旅行、農業に参入-観光連携のビジネスモデル構築へ
日本旅行グループの日本旅行北海道はこのほど、農業生産法人の「あきよしファーム」との共同出資で、農業事業会社「あぐりツーリズムネット」を設立した。北海道では「食と観光」をキーワードに第1次産業と観光の連携が求められ、一方で消費者側からも1次産業を含む体験型旅行のニーズが強くなっている中で取り組みを決めた。資本金は1000万円で出資比率は日本旅行北海道が8割。
地域観光の分野では、自治体や産業側から各地の第1次産品を素材にした観光振興の要望がよせられるものの、異業種間連携の際に温度差など課題があるといい、あぐりツーリズムネットでは、「旅行会社が直接営農に参入する」ことをコンセプトとし、従来の課題の解決と新しいビジネスモデルの構築をめざす。
事業の基盤としては、日本旅行北海道とあきよしファームの相互理解を前提としつつ、それぞれの得意分野を活用。主に農業側は生産、観光側は販売経路の役割を担う。特に、低農薬を志向して安全性を確保するとともに「顔の見える農業」をめざし、少量オーダー型の農業への挑戦なども視野に入れているという。
初年度は空知管内奈井江町であきよしファームが所有する3ヘクタールの農地を営農し、収穫物を販売。コメや野菜を各種の販路で販売することに加え、「あぐりファームメンバー」を募集し、収穫時のツアーやイベント、即売会などを実施する。3年計画で耕作面積を10ヘクタールまで拡大し、販売高3000万円をめざすという。