CTC、ACカルガリー線通年化で冬の需要に期待-12年は好調予想
(カナダ・エドモントン発:本誌 栗本奈央子)
カナダ観光局(CTC)は、エア・カナダ(AC)の成田/カルガリー線通年化の計画をうけ、冬の需要増に期待している。CTC副社長のチャールズ・マッキー氏は、エドモントンで開催中のランデブー・カナダ2012で業界誌の取材に応え、「イエローナイフやホワイトホースなど、オーロラを楽しめるデスティネーションへの接続の利便性が高まる」とし、冬のカナダの需要増に期待を示した。
また、カルガリー線に限らず関西市場の需要も積極的に取り込みたい考えで、日本航空(JL)、全日空(NH)、デルタ航空(DL)など航空会社への働きかけを実施していく。マッキー氏は「将来的に関空/バンクーバーのように直行便の就航を期待したい」とし、JLやNHが導入したボーイングB787型機について「関空/バンクーバー線にぴったりの機材」と期待を述べた。
さらに、マッキー氏はJLが4月22日に運航を開始した成田/ボストン線について、モントリオールやケベックへの乗り継ぎの良さを強調。NHが7月25日に運航開始予定の成田/シアトル線もカナダへの乗り継ぎの利便性が向上するとし、旅行会社に商品造成を働きかけたい考えを示した。
▽12年の見通し「ポジティブ」、SECとチーム・カナダで取り組み強化
マッキー氏によると、2011年の日本人訪問者数は当初は前年比25%増を見込んでいたが、3月に東日本大震災が発生。需要は減少したものの、最終的には10%減のレベルで踏みとどまった。CTCによると、2012年の1月から3月は前年越えとなっており、1月、2月は約14%増で推移。これを受け、マッキー氏は今年の見通しとして「とてもポジティブに推移するだろう」と期待を示した。
今年は昨年に続き、旅行業界とメディアに注力してプロモーションを展開していく考え。旅行会社に商品造成を呼びかけるとともに、メディアを活用し、消費者の旅行のきっかけとなるような動画などで需要喚起をはかる。また、ソーシャルメディアの活用による口コミの強化も実施する考え。マッキー氏はカナダ独自の体験とその感動を訴える「シグネチャー・エクスペリエンス・コレクション(SEC)」をアピールし、口コミなどで「消費者にSECでのストーリーを訴えていきたい」と述べた。さらに、2013年は一般消費者への広告活動の強化も検討しているという。
また、在日の各州観光局による「チーム・カナダ」での活動を今年も継続していく。旅行会社への教育活動や、チーム・カナダで一体となったプロモーションも展開していく計画だ。