37都市・2万マイルのバス行脚-「Vote Travel」で議会の支持集めへ
(ロサンゼルス発 森真弓) 米国カリフォルニア州ロサンゼルスで4月23日から25日にかけて開催された「インターナショナルPOW WOW(パウワウ)」の会場で同24日、同見本市の主催団体であるUSトラベル・アソシエーション(USTA)による新キャンペーン「Vote Travel」の記者会見がおこなわれた。
Vote Travelとは、USTAが今年1月から実施している1年間のキャンペーン。「Vote Travel」のロゴを全面にプリントした大型観光バスで37都市、全行程2万マイルを走行しながら、連邦上下院議員、並びに同候補に対し、旅行業界が米国経済に果たす役割の大きさを訴えるのを最大の目的としており、大統領選の年、エレクションイヤーを強く意識したものになっている。また、マスコミの注目を集め、首都ワシントンDCにおける旅行業界のプレゼンスを高めるとともに、旅行業界をとりまく法案に対し、議員らの支持固めをするのも重要な課題として掲げられている。
会見は、この日のためにパウワウ会場であるロサンゼルス・コンベンションセンターに駆けつけた、同キャンペーンの主役「Vote Travelバス」の前で行われた。
かつてはトビー・キースやスヌープ・ドッグら、そうそうたるミュージシャンのツアーバスとして活躍したこともあるラグジュリー仕様のバスの前に立ったUSTAのプレジデント兼CEOであるロジャー・ダウ氏は、「世界は旅行ブームに沸いている。米国もこの仲間入りをしなくてはならない。業界が米国経済に与えるインパクトは1兆8000億ドル(約144兆円)に上るが、この額は今も増え続けている。これが、我々が支援を呼びかけ、すべてのアメリカ人に対し、「Vote Travel」(旅行に1票を)してほしい、と訴えている理由だ」と熱く語った。
「バス行脚などというのは、注目を集めるためのギミックに過ぎないのでは?」という報道関係者から厳しい指摘を受ける一幕もあったが、ダウ氏は「そう受け取られても結構。アメリカの目をこちらに向けることができるのなら」と涼しい顔。米国の旅行・ホスピタリティー産業従事者は1400万人に上り、今後の業界の発展が米国が厳しい不況を抜け出すきっかけとなる、という見方から、業界に対する注目度が高まっているが、このトレンドをバスで一気に加速する構えだ。