旅行業倒産、4月はゼロ、宿泊業も5件-中小企業金融円滑化法の効果か

  • 2012年5月11日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、2012年4月の旅行業の倒産は0件となった。倒産がなかったのは、2012年1月以来のこと。TSRでは、海外旅行を中心に旅行需要が盛り返していることに加え、中小企業金融円滑化法の効果が背景にあると考えている。全業種の倒産件数でも、前年比6.6%減の1004件、負債総額は18.1%減の2289億5900万円と減少していることから、大きな流れに連動している状況だと分析する。

 宿泊業の倒産件数は5件、負債総額は12億8400万円で、東日本大震災の影響で増加した前年の14件、負債総額127億3800万円よりも減少。ただし、北海道のオークラ(負債額:1億6200万円)、栃木県の京商事(負債額:1億5000万円)、長野県のあすかの杜(負債額:1億3000万円)はいずれも破産であることから、TSRでは、宿泊業の経営に震災の影響が残っていることを示している、としている。