名鉄観光、旅行売上高1000億円回復が最重要課題-新中期経営計画で
名鉄観光サービスは、2014年の旅行売上高(総額)目標を1000億円に設定した。3月27日に名古屋で開催した全国支店長会議で、同社代表取締役社長の神應昭氏は「2010年の旅行売上高は1010億円だった。この数字を念頭に置き、1000億円まで早急に(売上を)取り戻したい」と意気込みを述べた。2012年から3ヶ年の新中期経営計画で、最重要課題として取り組んでいく考え。12年は旅行売上高目標を936億円に設定した。
同社の2011年の旅行売上高は東日本大震災の影響もあり4%減の833億円。純額ベースでは旅行売上高が95億円、営業利益は5億4300万円、純利益は3億8100万円となった。神應氏は、経済不況や震災などによる需要の減退にもかかわらず利益を確保できたとし、「筋肉体質の会社になってきた」と評価。過去の中期経営計画で営業利益の確保を重視し、組織の構造改革、カンパニー制への移行による営業の効率化やコスト削減など、さまざまな施策に取り込んできた成果が現れているという。
しかし、神應氏は旅行売上高の減少に懸念を示す。過去最高値が1990年代中ごろの1700億円であることから「833億円までの減少は大変厳しい」とし、「売上高が落ちて利益だけが上がっているのでは、いずれ会社が立ち行かなくなる」と見方を示した。同氏は「お客様とパートナーである施設に喜んでいただき、我々も利益を出す『三方よし』でないと会社の成長は続かない」ことから、「いかに売上を持ち上げていくかが新中期経営計画の目的であり目標」であると強調した。
新中期経営計画では「Innovation For Next 新しい発想で、新しい名鉄観光を創造しよう」のスローガンを設定。名鉄観光創立50周年に際し、名鉄観光の強みと弱みを原点に立ち返って整理をおこなっており、今後強みを伸ばし弱みの改善に取り組んでいく。
旅行分野では、たとえば安定的に需要が見込める教育、スポーツなどの重点団体を強化することで旅行業界での存在感を高め、生き残りをはかる。また、東京市場への進出をはかり、東京の営業体制を強化。インターネット販売では東京メディア国内旅行支店と名古屋メディア支店の国内旅行部門を統合し「商品事業本部・国内メディア販売部」とすることで、全国横断的な企画・販売組織を展開する。