香港と横浜、双方向の需要拡大へ協定締結-共通の魅力強みに
香港政府観光局(HKTB)と横浜観光コンベンション・ビューロー(YCVB)は3月27日、友好親善協定を締結した。今後両者は双方向の観光需要拡大に向け、「夜景」や「ドラゴンボート」「クルーズ」「中国料理」など、共通の誘客アイテムをテーマにした2ウェイプロモーションを継続的に実施していく。
締結式で挨拶に立ったYCVB理事長の新町光示氏とHKTB日本・韓国地区局長の加納國雄氏は、世界有数の国際港湾都市である香港と横浜が多くの共通点があることを強調。その上で新町氏は、開港時から多くの中国人が居留して横浜の発展に貢献した歴史や、HKTBからボード6艇の提供を受けて1994年から開始した横濱ドラゴンボートレースなど両都市の交流の深さを強調し、「今日の協定でさらに深化させ、双方に多くの来客があるよう、相互で努力をしていきたい」と語った。
加納氏は共通の魅力であるドラゴンボートレースについて、香港では現在、国内外から180チーム、15万人が参加する観光アトラクションの1つとなっていることをアピール。また、来年6月に世界最大規模の客船の寄港が可能なクルーズ船ターミナルがオープンすること、空路では羽田から毎日4便の直行便が就航していることから、「空と海の両面からも大変近い関係にある。この2ウェイツーリズムの環境のもと、今回の協定締結が双方向の観光の要になることを期待している」と述べた。
今回の協定はマーケティングを目的としているものであり、送客数の目標値は双方とも設定していない。2ウェイプロモーションではまず、6月2日、3日に開催される横濱ドラゴンボートレース会場にHKTBがブースを出展し、香港観光をアピールする。また、7月の香港ドラゴンボートレースに優勝チームを招待する。このほか、相互のドラゴンボートレースにツアーを送りあう計画もしており、2チーム40名の選手が双方を訪れる予定だ。横濱ドラゴンボートレースはこれまで国内参加者のみの大会であったため、YCVBではこれをきっかけに訪日旅行の増加をはかる考え。こうした相互のピーアール機会の創出により、香港からの訪日旅行の7割を占めるFITの取り込みと横浜での滞在増加を期待している。