ITBベルリン開幕、海外渡航者10億人時代へ向けて、17万人以上の参加見込み
世界最大規模の旅行博として、毎年3月にベルリンのメッセ(ベルリン国際見本市会場)で催される「ITBベルリン」が、3月7日(現地時間)にオープンした。これに先立ち6日夜、メッセの大講堂で開催されたオープニングセレモニーには5000人以上のセラーやバイヤーが出席し、エジプトをテーマにしたエンターティンメントや郷土料理を楽しんだ。
このセレモニーで挨拶に立ったベルリン市長のクラウス・ボーベライト氏は、現在の厳しい社会・経済状態に対応するため、旅行業界全体の協力が必要であると強調した。また、国連の世界観光機関(UNWTO)の事務局長タレブ・リファイ氏は、「2011年は、世界中で政治・経済的な危機、大規模な自然災害などが起きたが、観光はその地域の復興や雇用の拡大に大きな力になる」と語り、チュニジアやエジプトと共に、日本の状況にも言及した。
また、リファイ氏は「2012年には国境を超えて旅行する海外渡航者の数は全世界で延べ10億人を突破するものと予想される」と述べ、旅行業界が今新たな局面を迎えようとしていると語った。リファイ氏は「ツーリズムは世界のGDPの5%(間接的なものを含めれば9%)を動かす力となっている。これだけの影響力のあるものには責任もともなう」と指摘。海外渡航者が10億人の大台に乗ろうとする今こそ、旅行業界はサスティナビリティの問題などに真剣に取り組むべきだと強調すると、客席から大きな拍手が沸き起こった。
ITBベルリンは7日から11日まで、世界180ヶ国から1万社以上がブースを設置。昨年の17万人を上回る参加者が期待されている。(宮田麻未)