香港、12年はOLとシニアに注力-周遊旅行もアピール
香港政府観光局(HKTB)と香港日本人旅客手配業社協会(HJTOA)は3月5日、都内でセミナーを開催した。HKTB理事長のアンソニー・ラウ氏は「日本市場はまだまだ成長するポテンシャルがある」と期待を示した。2012年は、20代から30代のOLと団塊層をターゲットにプロモーションを展開していく考えだ。
ラウ氏は、2011年は東日本大震災で打撃を受けたが、後半から需要は回復し、年間では前年比2.5%減の128万3687人と微減にとどまったと評価。今年は円高基調を背景に、日本市場へのプロモーションをさらに強化し、送客増へ繋げたい考えだ。HJTOA理事長のジアンナ・シュー氏も「日本人訪問者数は持続的に増えていくと確信している」と期待を示した。
12年は昨年発表したプロモーションテーマ「Asia World City(アジアの世界都市)」を本格的に展開する。マーケティングのプラットフォームとして活用し、食事や文化、ショッピング、イベント、ハイキングなどをアピールしていく。HKTBでは中川翔子さんを香港観光親善大使に内定しており、HKTBのイベントや、キャセイパシフィック航空(CX)と展開している共同キャンペーン「香港スタイル」で登場してもらう計画だ。
また、珠江デルタの各観光機関と連携し、周遊型ツアーの造成も促す。2015年には広州/深セン/香港を繋ぐ高速鉄道が開通し、2016年には香港/珠海/マカオを結ぶ海上橋が完成するなど、さらにアクセスの利便性が向上するとした。
セミナーではパネルディスカッションを実施。日本旅行業協会(JATA)VWC2000万人推進室室長の澤邊宏氏は「香港のグループを再度開発するのが大きな切り口では」とし、香港の特性を活かしたミーティングやインセンティブへの取り組みの必要性を示唆した。また、12年は、座席供給量の増加も踏まえ、海外旅行者数は前年比5.9%増の1800万人をめざす。
HJTOA終身名誉会長のチョイ・パクタイ氏は香港と周辺都市を組み合わせた周遊観光を提案するとともに、香港に滞在せず通過してしまうケースを指摘。旅程に香港での滞在を組み込むよう改めて訴えた。エヌオーイースカイツアー東京営業部部長の米沢護氏も、香港プラスマカオなど、他都市との組み合わせが多い傾向を説明した。また、JTBワールドバケーションズ(JTBWV)商品本部豪亜部アジア企画チームチームマネージャーの野崎辰巳氏は、同社の香港のパッケージツアーで、家族参加の割合が高いことから「家族はまだまだ販売チャンスがある」と示唆した。