ユーロスター、ビジネスプレミアムクラスのサービス拡充、販売を強化
レイルヨーロッパは2月29日、同社が販売を担当するユーロスターから海外セールスマネージャーのセリーヌ・シャンバルー氏が来日したのに合わせてプレスランチを開催し、ユーロスターの提供する新サービスや好調な販売状況をアピールした。
2011年、ユーロスターの総売り上げは前年比5.7%増の8億280万ポンド。利用者数は1.9%増の1030万人だった。レイルヨーロッパ在日代表の加賀美恵理氏によると、日本からは約2万3000人の乗車があり、販売は好調であったという。また、レイルヨーロッパ全体の販売のうち、ビジネス利用が3分の1であるのに対し、ユーロスターでは約半分の乗客がビジネストラベラーであることが特徴だ。
シャンバルー氏によると、同社はビジネストラベラーが求めているサービスを提供するために、年2回のアンケート調査を実施している。それをもとにサービス向上につとめており、ビジネストラベラーが求める「フレキシビリティ」の実現に努めているという。
従来、特等としていたクラスをビジネスプレミアとして販売。価格だけでなく乗車時間を効率的に過ごすため充実したサービスの提供をめざしている。特徴的なサービスとしては、ユーロスターは全席指定の予約制だが、同クラスの乗客は到着時間によって前後の列車にペナルティなしで予約変更ができる乗車保証、出発10分前までのチェックインなどの利便性を強調。さらに昨夏から提供している新しいサービスとして、3ツ星シェフのアラン・デュー氏が考案した食事メニューや、乗車中に依頼できるタクシーの手配サービスが好評と紹介した。
なお、ユーロスターは2014年に新型車両の導入を予定しており、座席は750席から900席に拡大される。さらに、最高時速がこれまでの時速300キロから時速320キロになり、ロンドン/パリ間は15分短縮されて2時間に、ロンドン/ブリュッセル間は21分短縮されて1時間30分になるという。こうした利便性の向上や、キャパシティ増を受けて、シャンバルー氏は今後海外マーケットとしてオーストラリアや日本などへの営業に注力していく考えを示した。
このほか、同社は今年開催されるロンドンオリンピックのオフィシャルスポンサーであり、それを契機にさらなる設備強化も実施。パリ北駅では、12月から5月にかけて、新たに2つのチェックインゲート、イミグレーションが設置され、出発がスムーズになるよう配慮をしているという。