日本発航空運賃、値下がり見込み、アメックス予測
アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは2月23日、日本発便の航空運賃が今後値下がりするとの見込みを示した。これは同社が調査した、アジア太平洋地域における2011年第4四半期の航空運賃の動向を踏まえたもの。同期間の日本発航空運賃は、経済のデフレ傾向やマクロ経済レベルでの需要の減退により、路線別、座席クラス別ともに横ばい。今後、LCC参入の影響による競争の激化もあり、値下げが見込まれるとした。
期間中の日本発便の運賃は前期からは変化なく、前年比では1%減。運賃タイプ別では、前期比はビジネスクラスとエコノミークラスの正規運賃が1%増、エコノミークラスの正規割引運賃が1%減。ビジネスクラスの正規割引運賃は横ばい。前年比で見ると、エコノミークラスの正規割引運賃が4%増となり、対照的にビジネスクラスの正規割引運賃は4%減、それ以外は前年並みとなっている。
方面別での前年比は、国内が2%減、アジア太平洋が横ばい、欧州・中東が1%増、南北アメリカが3%減。前期比では国内が横ばいで、アジア太平洋と南北アメリカは1%増、欧州・中東圏は2%減となった。
なお、同調査はアジア太平洋地域の10ヶ国370都市から世界各国に飛ぶ航空便の往復航空運賃を追跡調査して実施したものだ。
▽アジア太平洋地域は横ばい予想
アジア太平洋地域全体の傾向としては、前年比で1%増、前期比で2%増。前年比ではビジネスクラスとエコノミークラスの正規運賃が3%増、それぞれの正規割引運賃が1%増。一方、前期比ではエコノミークラスの正規割引運賃が3%増、同クラスの正規運賃が1%増となった以外は横ばいとなった。
アジア太平洋地域全体の傾向を方面別で見ると、前年比では欧州と中東圏への運賃が3%増となったが、アメックスでは主に燃油価格の高騰によるものと分析。欧州の経済不安によって、運賃自体は値下げ傾向にあるとしている。このほか、アジアアジア太平洋行きは1%増、国内も1%増であった。
前期比については、国内が4%増と大きく値上がり。一方、経済不安のある欧州は1%減、アジア太平洋行きは横ばいであった。また、南北アメリカへの運賃は前年比、前期比ともに横ばいとなった。
アメックスでは、「これまでアジア太平洋地域は、世界的な経済不安のなか堅調な成長を維持してきたが、当該地域においても経済成長の伸びに陰りが出始めており、今後、状況が変化する可能性がある」と指摘。その上で「結果として域内の運賃は横ばいに転じる可能性がある」と予想した。