楽天トラベル、海外事業強化-シンガポールに拠点設立、北米も
楽天トラベルは3月1日、海外事業の強化を目的としてシンガポールに現地法人「Rakuten Travel Singapore Pte. Ltd」を開設する。東南アジアに現地法人を設立するのはこれが初めて。さらに、同現地法人の傘下として、3月中旬から4月ごろにかけて、インドネシアに駐在員事務所も設け、東南アジアでの事業展開を強化する。
楽天トラベル代表取締役社長の岡武公士氏は、「まずは日本からのアウトバウンドを強化する」と述べ、その上で各国で認知度を高めてからインバウンドを強化していきたい考えを示した。今年中を目処に「海外to海外」への取り組みも開始したいという。
楽天トラベルによると、海外旅行の取扱高は全体の15%程度。このうち、2011年の東南アジアの宿泊予約取扱高は前年比41.3%増で、なかでもシンガポールは50.9%増、インドネシアは46.5%増と伸び率が高いため、拠点開設でさらなる需要の拡大が期待できるとした。
シンガポール現地法人は、東南アジア地域の営業活動の中核地点と位置づける。まずは日本人海外渡航者向けのホテル仕入れを中心に展開していく考えで、拠点設置で現地営業の担当者を配置し、各ホテルとの直接契約の推進による仕入れの強化をはかる。
楽天トラベルの海外ホテルとの直接契約の割合は約9割強だが、取扱ホテル数ではホールセラー経由の方が多い。同社常務執行役員事業戦略部長の鎌田啓之氏は直接契約のメリットとして、ホテルの在庫の管理やプラン設定が直接交渉でき、日本人に人気のホテルなどの仕入れ強化ができる点をあげた。また、シンガポールにアジア・パシフィック地区の本部を置く世界大手ホテルチェーンとの連携も深めていく。