アメリカン航空、年内の再上場めざす、1.3万人削減など再建策

  • 2012年2月19日

AA副社長のケビン・E・コックス氏 アメリカン航空(AA)副社長のケビン・E・コックス氏は2月17日、旅行業界誌との会見で、約1万3000人の人員削減を中心とした30億米ドルの財務改善策などに取り組み、2012年内の再上場をめざす計画を説明した。

 財務改善は、10億米ドルの収益増加と20億米ドルの費用削減をめざす。収益面では、路線網の拡大や機材の更新・最適化、サービスの改善など。費用削減では、人件費の圧縮、借入金やリース債務、仕入先との契約の見直し、古い機材の退役、設備関連経費の削減などを進める。

 人件費関連では、1万3000人の人員削減や一部業務のアウトソース、就業規則の変更による生産性向上、退職金制度の廃止などにより、平均で20%程度の削減をめざす。人員削減の詳細は決定していないものの、例えばすでに執行副社長の役職は廃止し、上級副社長も14名から10名に削減するなど取り組みを始めており、「すべての階層で公正におこなっていく」考えだ。

 AAでは現在、労働組合と人件費削減に向けて交渉に入っているところ。これについてコックス氏は「相互の合意こそ我々が最も望むもの」と前置きした上で、「仮に交渉が決裂したとしても、裁判所に対してAA側の提案内容を示し、これが競合他社と比較して見劣りしない公正であるとの評価を裁判所から得られれば、労組に強制的に契約内容を受け入れてもらうことになる」と説明。仕入先との契約についても同様の手順を取るとした。

 なお、路線ネットワークについては、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、ダラス、マイアミの5つのハブ空港に注力し、共同事業やアライアンスの拡大を通じた提携関係の拡大に取り組む。また、ボーイングとエアバス合わせて556機、オプション契約を含めれば1079機の機材発注により、機齢の若返りやコスト削減などにつなげていく。