楽天トラベル、11年取扱高は12.2%増-12年は中国強化、LCCに期待

  • 2012年2月13日

 楽天トラベルの2011年12月期連結決算(2011年1月1日~12月31日)の売上高は前年比12.2%増の255億2800万円、営業利益は11.4%増の107億1100万円、予約流通総額は14.9%増の約4200億円となり、2年連続で2ケタ増となった。同社によると、震災直後は予約のキャンセルなどが発生したが、ダイナミックパッケージの商品拡充や、クーポンなどを活用したマーケティング戦略など、旅行需要の喚起をはかる戦略が奏功したという。

 第4四半期は、売上高が14.1%増の67億9600万円、営業利益が14.0%増の29億200万円、予約流通総額が13.9%増の1030億円となった。楽天代表取締役社長兼会長の三木谷浩史氏も「トラベルはとてもよく伸びている」と評価。第4四半期はスマートフォン経由の予約流通が急増し、前年の約5倍まで成長したという。楽天トラベル代表取締役社長の岡武公士氏によると、同社の流通全体の2割はモバイルで、そのうちスマートフォンのシェアは4割まで増加。スマートフォン経由は予約単価が高いとし「今後は(モバイルの)半分以上はスマートフォンになるのではないか」とシェア拡大に期待を示した。


▽12年は「海外発海外」強化-LCC就航で需要増に期待

 2012年は、海外ではアジアを中心に、訪日旅行だけでなく「海外発海外」の需要取り込みをはかる。中国では、このほど提携した現地のオンライン旅行サイト「快楽e行」を活用し、中国人の国内旅行、海外旅行を取り扱うシステムの構築をめざす。また、新規拠点の設立も進めていく考えだ。一方、国内では足回りを含めランドの構築をはかる。関係各所との提携を含め、移動手段を含めたパッケージ商品などを強化したいとした。

 また、三木谷氏は11年12月から開始したピーチ・アビエーション(MM)との業務提携に触れ、「さらに他のLCCとの提携も探っていきたい」考えを示した。岡武氏も、スカイマーク(BC)の那覇/宮古線で、宮古島のホテルからとてもいい反響があったとし、LCCによる新たな旅行需要の喚起に期待を見せた。LCCの利用者が宿泊施設を購入する際に「選ばれるサイトになりたい」と意欲を示した。LCCが就航する北海道や沖縄については、「航空会社にとって重要な場所であるため、もともと力を入れている」とし、沖縄だけでも400施設の取り扱いがあると優位性を述べた。