楽天トラベル、中国事業強化、航空券販売で提携-中国3支店新設

  • 2012年2月6日

楽天トラベル代表取締役社長の岡武公士氏  楽天トラベルはこのほど、中国事業の強化をはかり、中国のオンライン旅行サイト「快楽e行」を運営する北京創哲信息科技有限公司(北京創哲)と業務提携契約を締結した。8月に子会社化した、楽天の中国事業部門を担当するチャイナオンライントラベルを通じて、中国国内での航空券販売サービスを開始する。中国国内旅行のサービスを拡充するとともに、中国発インバウンドの強化もはかる考え。2月6日の記者会見で、楽天トラベル代表取締役社長の岡武公士氏は「中国マーケットは最重要視している」とし、中国での事業展開を強化する姿勢を示した。

 北京創哲は2004年設立のオンライン旅行会社で、40万名の会員を持つ「快楽e行」では中国国内線をメインに、国際線航空券や宿泊施設の予約などの事業を展開している。今回の提携で、楽天トラベルは北京創哲を通じた中国国内線、国際線航空券の販売が可能となる。

 今後は、楽天トラベルの中国人向け旅行サイト「上海旅窓」での航空券の販売を実施する計画だ。また、「上海旅窓」で現在取り扱っている約4500ホテルを「快楽e行」に提供し、シナジー効果も狙う。将来的には国際線の販売拡大と、楽天トラベルの日本国内の宿泊在庫との連携により、中国発日本へのインバウンドの強化にも繋げたい考え。さらに、岡武氏は中国発韓国など、アウトバウンド需要の取り込みにも意欲を示した。


▽現地法人の支社、南京、杭州、青島に新規開設

 さらに、楽天トラベルは中国事業強化の一環として、現地法人である上海旅之窓網絡有限公司の支店網も拡充する。新規支店として南京、杭州、青島の3都市に支店を開設し、2月中旬から営業を開始する計画だ。

 各支店は3名程度のスタッフが在駐し、ホテルの仕入れ事業を中心に展開する。まずは日本人旅行者向けの宿泊施設の在庫拡充をはかる。全日空(NH)の就航する3都市に拠点を設定することで、ANA楽パックの対象施設や客室の供給の増加をはかり、日本人旅行者の拡大へと繋げたい考えだ。また、中国人旅行者に対しては、「上海旅窓」を通じて、中国国内宿泊施設の登録数や部屋の供給を増加し、利便性の高いサイト運営をはかるとした。

 なお、楽天トラベルによると、中国でのオンライン旅行市場規模は2010年が前年比36%増の356億元(約4400億円)と急速に拡大しており、中国の旅行市場でのオンライン比率は現在8%程度。2012年にはオンライン旅行市場が529億元(約6600億円)にまで成長する見込みだという。