12年の展望(4):各社LCC対応-レジャーはPKG化も、業務は消極的
リテーラーや業務渡航、利益確保が課題-ビジネスモデルの違いも指摘
「既に販売しているが、前向きではない」「販売はしておらず、検討もしていない」と回答した旅行会社のうち、「リテール業として収支を勘案のうえ判断する必要がある。薄利では収支が合わない」(リテーラー)と、利益確保を課題とする意見があがった。また、「検討をしていない訳ではないが、現在の弊社の顧客層、販売手法を考えると積極的な販売は難しい」(メディア・通信販売系)といった意見もあがった。
一方、業務渡航系からは、販売については消極的だが「顧客ニーズとの検証を行ない、有効であれば展開を検討する」と、顧客の需要次第では販売するという意見があがった。ただし、個々の顧客からのニーズがあることから「自社発券可能なLCCは取り扱う用意を進めている」という業務渡航系もあるが、現状として「需要がごくわずかであるため現段階では難しい」という。
こうした懸念は、前向きに検討している会社からも上がっており、「日本の旅行業約款で対応できるLCCはまだ少ない」(総合旅行会社)「国内では、直販主体のLCCのスタンス・方向性から積極的な販売は考えにくい」(総合旅行会社)と、LCCとのビジネスモデルの違いを課題とする声もあった。
とはいえ、LCCを「販売しないと決めている」と回答した会社は1社もなく、「中長期的に考えれば、JQのようにLCCの旅行会社に対する方針も変化していくのでは」(総合旅行会社)と、動きを注視するという意見もあり、全体的にLCC各社の展開への関心が否応なく高まっている様子がうかがえた。