タイの渡航情報、アユタヤ「解除」に-ツアー再開、業界あげてキャンペーンも

  • 2011年12月28日

 外務省は12月26日付で、アユタヤ県、パトゥムタニ県、ノンタブリー県、ナコンパトム県、サムットサコン県に発出していた渡航情報「渡航の是非を検討してください」を解除した。アユタヤ県の中心部と世界遺産の遺跡群では冠水被害が認められず、日常生活を取り戻しつつあり、幹線道路から離れた地域では冠水地域が点在しているが、被害拡大や日常生活への支障はうかがえないという。

 また、バンコクの一部に対する渡航情報を引き下げ、バンコク全域を「十分注意してください」とした。タイ当局の排水作業により、洪水にともなう危険情報は引き下げとしたが、洪水前からひったくりなどの治安面などで「十分注意してください」としており、これを継続する格好だ。

 アユタヤへの渡航情報の解除を受け、旅行会社では該当地域のツアー催行を再開する動きが強まっている。

 すでに、エイチ・アイ・エス(HIS)が渡航情報の解除・引き下げの前から、中止されているアユタヤのライトアップに絡むツアー以外は催行を再開。ANAセールスも12月中旬の現地視察を経て、12月28日からアユタヤツアーの催行再開を決定している。また、近畿日本ツーリスト(KNT)も12月16日付で、宿泊を含むアユタヤ観光やローズガーデン日帰り観光などのツアーを1月1日日本出発分から再開することを決定した。

 このほか渡航情報の引き下げを受け、12月26日付けでジェイティービー(JTB)やクラブツーリズムがバンコク地域、アユタヤを含むコース催行を再開。ジャルパックもアユタヤツアーについて、アユタヤ宿泊ツアーについても12月26日付で再開した。日本旅行も12月26日付で、アユタヤ滞在を含むツアーの催行を再開したが、中止されているアユタヤのライトアップ観光やローズガーデンでのゴルフ、パインハースト・ゴルフ場など、観光地のサービス状況に応じて催行中止としている。

 なお、タイ国政府観光庁(TAT)は今後のリカバリーに向け、日本旅行業協会(JATA)会長の金井耿氏をはじめ、大手旅行会社7社を招聘。TAT総裁のスラポン・サウェートセラニー氏、副総裁のサンスーン・ガオランシータイ氏らと業界全体での送客増加を協議し、リカバリーを目的にジョイント・キャンペーンをしていくことで一致した。