国観連近畿と日観連近畿、新組織へ前進 会費や事業で合意
国際観光旅館連盟近畿支部(西村肇支部長=西村屋)と日本観光旅館連盟近畿支部連合会(小野善三会長=綿善旅館)が新支部連合会組織構築の準備を推進している。2012年4月に2団体を統合した新組織発足に向けて協議を進めている中で、近畿では会費や組織体制についても一致し、新支部連合会として決定した。
2団体統合後の支部組織は運輸局ベースの9支部連合会に再編される。支部会費や事務局については両団体の現支部間で調整することになっている。そのため、両支部の三役は8月28日、今後の支部のあり方について初めて話し合った。
初会合では「支部連合会の運営はトップダウンで行うものではない。ボトムアップで進めたい」という基本方針で合意。1ヶ月後をメドに近畿各府県の両支部の多くの会員を招集して新しい府県支部の役員を選出し、新支部連合会の運営、事業内容、会費などを固めていくことを決めた。
そのため10月11日の会議で、新しい府県支部の支部長を選出。滋賀=針谷了氏(湯元舘)▽大阪=岡本厚氏(不死王閣)▽京都=小野氏▽兵庫=西村氏▽奈良=増田友宏氏(春日ホテル)▽和歌山=沼田博久氏(紀州・白浜温泉むさし)の6人が就いた。
続いて10月24日にはこれまでの両団体の役員を召集し「新団体準備委員会」を開き、「どのような意見でもお聞きし、お答えして新団体のスムーズな運営を図りたい」という趣旨で進行。
もっとも難航すると思われた支部会費については、当初案では10室までの会費は1万5千円だったが、日観連会員の負担を少なくするため1万2千円となった。その結果、支部会費は1-10室1万1千円▽11―20室1万1千円▽21―30室3万円▽31―50室4万5千円▽51―80室5万5千円▽81室以上6万5千円と決まった。
新支部連合会の役員については会長に西村氏、専務理事に岩井美晴氏(奥城崎シーサイドホテル)、会計理事に岡本氏、山内宏之氏(新門荘)、監事に山本清蔵氏(尾上温泉旅館紅鮎)、當谷正幸氏(銀水荘別館兆楽)を決めた。
事業については国観連近畿支部がこれまで進めてきた(1)総務指導部(2)企画研究部(3)IT戦略部(4)国際事業部(5)青年グループの5つの部を継承していくことを確認した。役員は定年70歳とし、組織の若返りを図る。
12年4月から新支部連合会長に就任する西村氏は「新団体が発足してどのようなメリットがあるのかも大事だが、会員がどれだけ新組織に貢献できるかを考えて行動してほしい。よりよい団体にするために責任を持って取り組みたい」と話している。
ただ、今のところ、近畿のような新支部組織構築に向けた動きは他地区ではないようで、場合によっては来年4月の新団体設立が先送りされるのではないか、という見方が業界内で浮上しているのも事実だ。
情報提供:トラベルニュース社