JATA金井会長、12年は海外旅行1780万人の「壁」超えへ
日本旅行業協会(JATA)会長の金井耿氏はこのほど本誌のインタビューに応じ、2012年の目標として、2000年の海外旅行者数の1780万人超えをめざす考えを示した。同氏は「2000年の1780万人は、10年以上超えられていない」とし、「12年は是非その壁を破る年にしたい」と意欲を述べた。需要に合わせたチャーターの活用で航空座席数を確保し、輸送力を高めるとともに、LCCとの協業についても「サービスの質を見るという議論は当然あるが、ある程度協調関係を考えていかざるをえないのでは」との考えだ。
また、金井氏は12年の事業計画骨子として、東北復興をテーマに上げる方針を示した。同氏は11年を「震災の影響をどう克服していくかに終始した1年だった」と振り返った。ただし、当初の想定より回復は速く、11年後半からは円高や自粛ムードの早期解消により、海外旅行を中心に回復の速度が速まった。海外旅行は前年を超える見込みだという。一方、国内旅行については、「かなり戻っている」としながらも、西高東低の傾向が継続。インバウンドはまだ戻りきっていないという。こうした中、12年は海外旅行では回復の勢いの持続をはかり、国内旅行では東北復興をテーマに取り組みを進めていく考え。インバウンドについては原発事故の問題もあるが、回復につなげていきたいとした。
さらに、金井氏は人材育成にも積極的に取り組みたい考えを示した。インターネットでの商品販売が盛んになる中、金井氏はインターネットで販売するためのツールの活かし方に力点が置かれ、コンテンツとなる旅行商品で「実際に現地を知らないで商品造成するように下手をするとなるのでは」と、商品の質の低下について懸念を示した。今後は各観光局と協力し、ファムツアーなど実施することで、旅行会社のスタッフが現地を訪問し、学ぶ機会を積極的に提供していきたい考えだ。デスティネーション・スペシャリスト(DS)についても改善に向けた取り組みを開始しているという。
※インタビューの詳細は来年掲載予定