12年の航空需要、欧州問題で下方修正、燃油は値下がりか
国際航空運送協会(IATA)はこのほど、2012年に全世界での旅客需要の成長率が前年比4.0%増になるとの予測を発表した。IATAではこれまで4.6%増の伸びを見通していたが、欧州での経済危機を受けて下方修正した。
業績面でも、業界全体の純利益を35億米ドルとしており、当初予想の49億米ドルから引き下げている。2011年の純利益は69億米ドルとなる見込み。欧州危機の行方次第では、80億米ドルの赤字に陥る可能性もあるとしている。
IATAはあわせて、2012年の業界環境について地域別の動向予測も発表。全地域で2011年よりも悪化するとしつつ、アジア太平洋地域の航空会社は中国市場などが牽引し、21億米ドルの黒字を達成できる見込みとした。
このほかの地域は、北米が17億米ドル、中東が3億米ドル、ラテンアメリカが1億米ドルの黒字、欧州が6億米ドルの赤字、アフリカが1億米ドルの赤字としている。
なお、航空会社にとってコストとなる燃油価格の見通しについては、1バレルあたり99米ドルを予測。2011年は1バレルあたり平均112米ドルとなる見通しだ。