長崎/上海「1万円以下」-HTBクルーズ山本代表、初年度黒字へ
長崎/上海間にこのほど初就航したHTBクルーズの「OCEAN ROSE(オーシャンローズ)」が11月6日、長崎港へ帰港した。HTBクルーズ代表取締役の山本宰司氏は本誌らの取材に応じ、「今までの旅行のあり方を変えることで、新たな市場をつくりたい」と同事業への意欲を語った。山本氏は、「旅行に縁遠い人たちをひきつけるには従来型の商品では難しい」とした上で、「ローコストは今の時代当り前。いかにエンターテインメント性をつけられるか」が重要であることから、ローコストエンターテイメントシップとの位置づけの通り、「船=レジャー」として打ち出していく考えだ。
オーシャンローズは、豪華客船など従来のクルーズのイメージを封印し、若年層にも受け入れられやすいテーマパーク的な要素を取り入れている。例えばインバウンドでは、上海に住む「新中国人」と言われる20代女性をコアターゲットに設定。「新中国人」は、インターネットが身近で情報収集も幅広く、感受性が高く国際感覚のある層という。山本氏は「この層に受ければ、上海人、中国人、日本人問わず全ての層に受けると思っている」と説明。同様に、アウトバウンドでも新規需要を開拓することでイン/アウト双方の市場拡大をめざす考えを示した。
運賃については、片道7800円程度で燃油などを含めても1万円以下におさめたいというものの、具体的には政府の認可が下りてから発表するとした。販売経路の主軸は上海であるとし、現在総代理店の設定などについて準備しているという。また、日本ではエイチ・アイ・エス(HIS)だけでなくあらゆる旅行会社を通じ販売してもらう考え。イン/アウトにとって新たな旅行の切り口になることや、実際に乗船した中国側の反応も良かったこともあり、「可能な限り1年目で黒字化したい」考えだ。