北朝鮮の渡航自粛要請緩和、W杯予選で-公式ツアーなど対象
政府は、北朝鮮の平壌で11月15日に開催される2014年ワールドカップ・アジア第3次予選「日本対北朝鮮」戦への参加、取材、観戦を目的とした渡航について、特別措置として渡航自粛要請を緩和する。11月1日、内閣官房長官の藤村修氏が会見で発表。これを受けて、観光庁では日本旅行業協会(JATA)と全国旅行業協会(ANTA)に対し要請文書を発出した。
文書では、官房長官が発表した政府の方針に従うよう要請。政府では北朝鮮への渡航自粛を要請しているが、今回の予選のため、特例的に渡航自粛要請を緩和する。対象となるのは日本代表チームと、日本サッカー協会(JFA)が認定した日本代表チーム帯同プレス、JFA斡旋によるオフィシャルツアーに参加して、団体行動のもとで渡航、観戦するサポーターだ。日本対北朝鮮の試合がFIFA規約のもとに実施されるワールドカップ予選であり、日朝双方のサッカー協会間で予選運営の調整が行われたことなどを考慮して決定したという。
また、渡航自粛以外の物品の輸出入禁止措置や、現金等の持ち出し規制等の対北朝鮮措置については、特例的な取扱いはないとし、北朝鮮へのすべての渡航者に対し「制裁措置に伴う各種の制約、出入国時の特別な手続を遵守願いたい」とした。旅行者への説明についても、外務省の危険情報を掲載した書面の交付に加え、北朝鮮への渡航について注意事項を記した書面を交付し、渡航に際しての留意事項の周知徹底をはかるよう要請した。
なお、JFAウェブサイトでの告知によると、西鉄旅行が11月1日から4日12時までオフィシャルサポーターツアーの限定販売をおこなった。観戦チケットと航空券、現地での宿泊、移動、観光をセットにしたパッケージツアーで、募集人員は65名。旅行代金は燃油サーチャージ込みで28万8000円からだった。