タイ、旅行会社が催行中止延長-バンコク、外国人観光客の姿も

  • 2011年11月6日

暁の寺院へ行く船着場でも、団体観光客でにぎわう姿が タイにおける洪水の長期化を受け、近畿日本ツーリスト(KNT)と日本旅行はバンコク、アユタヤに滞在するパッケージツアーについて、11月30日の日本出発分まで催行中止を延期した。取消料は収受しない。

 また、ジャルパックもバンコクツアーの催行中止期間を11月23日まで延長。11月24日から30日出発分については水害を理由にした取消に限り、取消料を免除する。ジェイティービー(JTB)やエイチ・アイ・エス(HIS)、クラブツーリズム、阪急交通社は現状維持としている。

 航空会社各社も、払い戻しや変更の対象となる期間を延長。タイ国際航空(TG)では払い戻し対象となる航空券について、日本/タイ間の予約が11月14日のものまで延長。全日空(NH)も払い戻しや予約変更の対象となる航空券を、予約が12月14日のものまでとした。

 外務省によると、バンコクの状況は好転しておらず「今のところ(渡航情報を)下げるに至る情報はタイ側からもたらされていない」という。バンコクでは北部で水をせき止め、運河を利用し中心部を迂回させて東に水を流す計画だが、排水作業などが難航。せき止められた水が徐々に首都バンコク中心部に向かっており、冠水範囲も次第に拡大しているという。バンコク近郊の工場団地も引き続き冠水している。ただし、今月中旬に再び大潮があるため予断は許さないものの、バンコクの観光地についてはあまり被害が出ていないという。

 また、ニュー東洋トラベルバンコク支社の渡辺俊男氏によると、11月4日午前9時現在、水の南下にともない徐々に冠水など影響はでているものの、観光客の訪問場所が大きな被害にあっているわけではなく、王宮付近では外国人観光客の姿も現れはじめているという。

 観光スポットでは王宮、エメラルド寺院が観光可能で、暁の寺院も観光可能だが水量の増減次第では大理石寺院へ変更している状況だ。水上市場へのツアーも通常催行だが、場合によってはボートでなく陸路で移動を検討する必要があるとした。

 なお、アユタヤについては徐々に水位が下がってきており、市内の一部ではライフラインが復旧しはじめているが、道路の封鎖は続いており、アユタヤへのアクセスは不完全な状況だ。同社では11月15日までアユタヤ観光ツアーを催行中止としている。

※いずれも11月4日19時時点の情報