ケニア、初のトラベルフェア開催、15年に観光客2.5倍めざす

  • 2011年10月20日

「マジカル・ケニア・トラベル・エクスポ」会場の様子(現地発:江藤詩文) ケニア政府観光局は10月19日、東アフリカ初となるトラベルフェア「マジカル・ケニア・トラベル・エクスポ」をナイロビで開幕した。会場はコンベンション施設「ケニア・インターナショナル・カンファレンス・センター」の屋外広場で、ケニア各地とタンザニアの一部からホテルや現地オペレーター、行政関係者など約60社・団体が出展。セラーとしては、日本をはじめ韓国や中国、欧州、インド、オーストラリアなど世界26か国から、旅行会社と旅行メディア約160人が参集した。

副大統領のカロンゾ・ムショカ氏 KTB局長のロバート・ムリーチ・ンデグワ氏は、初のトラベルフェア開催の目的について、海外の旅行会社にケニアの観光素材に関心を持ってもらうとともに、ケニアの旅行関係企業とのネットワークを構築してもらい、商品の造成や販売の促進に役立ててもらうためと説明。また、安全で快適に旅行できるデスティネーションであることを広く世界に広めることもねらいとした。

 オープニング・セレモニーでは、副大統領のカロンゾ・ムショカ氏と観光大臣のナジブ・モハメット・バララ氏が登壇。ムショカ氏によると、ケニアの2010年の観光収入は約737億ケニアシリング(約566億円)であったといい、2011年の上半期は前年比15%増を見込んでいる。その理由をムショカ氏は「政府と旅行業界が一体となり、従来の市場だけでなく、日本を含む東アジアや中東、オーストラリアなど新しい市場を積極的に開拓したことにある」と説明。

観光大臣のナジブ・モハメット・バララ氏 バララ氏は、トラベルフェアを毎年継続して開催する意向を表明し、「近い将来、ケニアだけでなくウガンダやルワンダ、タンザニアなど東アフリカ各国と連携をして、洗練されたサファリ・リゾートというイメージを訴求し、ハネムーンや富裕層の旅先として定着したい」と強調。南米4ヶ国の「メルコスール」をモデルケースとするという。

 また、ムショカ氏は、ケニア政府がこれから数年間で数兆ケニアシリングを観光に投資する計画を明らかにした。主に高速道路などインフラの整備に充てるほか、2012年にはジョモ・ケニヤッタ国際空港に隣接して、大型空港の建設にも着手。大型コンベンションセンターの建設も計画している。

 KTBでは、こうした取り組みにより、2010年の外国人ケニア訪問者数が約120万人であったところを、2015年までに300万人にまで増加したい考え。同時に、2015年までに、インバウンドと国内旅行による市場規模をそれぞれ約50%とすることもめざす。海外情勢に左右されやすいインバウンドのみに頼るのではなく、国内旅行の需要を喚起することで、強い市場を作る考えだ。

ケニア政府観光局日本事務所PRマネージャーの徳田依子氏 なお、ケニア政府観光局日本事務所の徳田依子氏によると、日本事務所でもさらなる市場の拡大をめざす方針。FITの旅行者だけでなくパッケージツアーの旅行者により広く訴求するため、ケニアの魅力を多面的にピーアールし、旅行会社に積極的な商品造成を促していく考えだ。