海外パッケージ、7月以降プラス転換-下期も回復基調、安近短がけん引

  • 2011年10月20日

 日本旅行業協会(JATA)がこのほど取りまとめた大手旅行会社7社の海外募集型企画旅行の取扱実績は、震災後の2ケタ減推移から好転し、7月から9月はいずれの月も前年を上回った。7月は4.5%増、8月は9.0%増、9月は6.2%増となっている。韓国、台湾、香港、ハワイが堅調で、安近短の方面を中心に回復。夏休みのファミリー旅行で人気の、ハワイやミクロネシアなどのビーチ方面も好調だった。10月から12月までの予約状況も全方面で前年を上回っており、熟年層の伸び悩みや欧米で発生しているデモ、ストライキといった懸念材料はあるものの、安近短が全体を牽引するとの見通しだ。

 実績を方面別に見ると、前年を上回ったのは8月が43.0%増だったアメリカ・カナダ、8月が3.5%増、9月が6.8%増だったハワイ、そして中国を除くアジアで、韓国と台湾は3ヶ月連続で2ケタ増となり、香港/マカオは9月を除いて前年を上回った。また、タイは前年に比べて大幅に伸びたものの、暴動などの影響で前年が低迷していたことから反動が大きかった。

 一方、10月から12月までの予約状況では、全方面合計で、10月が13.8%増、11月が6.5%増、12月が4.3%増と推移。方面別に見ると、中国を除くアジアでは10月が29.2%増、11月が25.3%増、12月が28.5%増、ハワイが10月が18.3%増、11月4.6%増となっている。旅行会社からの報告では、「アジアやミクロネシアは好調だがロング方面の特にヨーロッパが不調」「震災の影響が完全になくなっていないためロング方面が伸びない」といった意見もあった。一方で、ヨーロッパのクリスマスマーケットや円高基調に期待する声もあったという。

 調査は10月第1週に、ジェイティービー(JTB)、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行、阪急交通社、エイチ・アイ・エス(HIS)、ジャルパック、ANAセールスの7社に実施。方面別の詳細は下表の通り。


▽JATA海外パッケージツアー実績・予約状況調査結果